ホルムズ海峡進捗2026/09/29

ホルムズ海峡の進捗 — 2026年9月29日現在
最終確認:2026年9月29日 早朝(日本時間)
結論からいうと、ホルムズ海峡は「完全再開」には至っていませんが、9月後半に一部の船舶・LNG船が通過する動きが出ています。一方、米国とイランの交渉は依然として不透明です。
① 9月29日の大きな変化:LNG船の通航が回復
9月28~29日に報じられた最新情報では、カタール産LNGを運ぶ船がホルムズ海峡を通過する動きが再び確認されています。
特に、
- GasLog Skagen:カタール・ラスラファン産LNGを積んで海峡を通過したとみられる
- Al Shamal
- Mesaimeer
- Al Ghashamiya
- Al Samriya
- Al Daayen
など、カタール関連のLNG船で通過が確認されています。(Baird Maritime / Work Boat World)
これは、「完全封鎖状態」から徐々に実際の物流が戻り始めている可能性を示す重要な変化です。
ただし、AIS(船舶自動識別装置)を切って航行する「ダーク・トランジット」もあるため、実際の通航数を正確に把握するのは難しい状況です。(MarineLink)
② 一方、米・イランの交渉は難航
9月26日、トランプ大統領は、イラン側から提示されたホルムズ海峡再開を含む和平案を拒否したと表明しています。
イラン側は、
米国による経済・港湾封鎖などの解除を条件に、海峡を7日以内に開放する
という提案をしていました。
しかし米国側はこの条件を受け入れておらず、海峡の正式な再開について合意には至っていません。 (ニューズウィーク日本版)
一方、9月28日には米・イラン間の間接協議が行われる可能性が報じられており、外交ルート自体は維持されています。(ライブドアニュース)
③ 船舶通航量は「急増する日」と「激減する日」がある
ここが現在のホルムズ海峡を判断する上で非常に重要です。
9月22日には、Kplerの速報データで商品輸送船がわずか2隻まで減少しました。戦争前には大型商船が1日約125隻通過していたため、非常に大きな落ち込みです。(Reuters)
ところが9月23日には、米当局者が約60隻の商業船が通過したと説明しています。このうち約40隻が米軍と連携した護衛を受けていたとされています。ただし、Reuters自身はこの数字を独自確認できていないとしています。
つまり現在は、
2隻 → 約60隻 → その後また減少
というように、通常航行に戻ったとは到底言えない不安定な状態です。
④ 原油輸送は完全停止ではない
9月20日から始まった週について、Kplerの速報では、
ホルムズ海峡経由の原油輸送:約3,370万バレル
が確認されています。
そのうち19隻のタンカーが関係し、主にサウジアラビア産、次いでイラク産原油だったとされています。(ニューズウィーク日本版)
したがって、
「ホルムズ海峡から原油が全く出ていない」
という状態ではありません。
むしろ現在は、危険を承知で一部の大型タンカーが通過している状態と見るのが正確です。
⑤ 原油価格には再び上昇圧力
9月28日には、米・イラン和平交渉の難航を受け、
- Brent:約106.92ドル
- WTI:約94.49ドル
まで上昇しました。
Reutersは、ホルムズ海峡を通る原油量が増えたことで価格上昇圧力は一部緩和されているものの、世界の原油市場では依然として供給不足が続いているとの専門家の見方を紹介しています。(ニューズウィーク日本版)
現在の状況を整理すると
| 項目 | 9/29現在 |
|---|---|
| ホルムズ海峡 | 完全再開ではない |
| 原油タンカー | 一部通航 |
| LNG船 | 通航回復の兆候あり |
| カタールLNG | 複数船の通過を確認 |
| 商船 | 日による変動が非常に大きい |
| 米・イラン交渉 | 継続の可能性あり |
| 海峡正式開放 | 未合意 |
| 原油価格 | 100ドル超の高水準 |
| 世界のエネルギー供給 | 依然として不安定 |
私の現時点での見方
9月29日は、これまでの進捗と比べて**「物流が少しずつ動き始めている」という点では前進**です。
特にカタールLNG船の再通航は重要な変化です。(Baird Maritime / Work Boat World)
ただし、
「ホルムズ海峡が開いた」
↓
「通常航行に戻った」
とはまだ言えません。
むしろ現状は、
「軍事的・外交的な緊張が続く中で、一部船舶の通航が再開・増加している段階」
と表現するのが最も正確です。
今後の最大のポイントは、①米・イラン交渉、②イランによる正式な海峡開放、③商船通航数が数日~1週間連続して増えるか、④原油・LNG輸送量が通常水準へ戻るかです。
信頼度:92%
(9月29日現在のReuters報道、Kpler関連データ、複数報道を照合。ただし船舶AISを利用した速報値には「非表示航行」が含まれない可能性があるため、通航数には一定の不確実性があります。)

