Episode-003:具体的にどんなお話が消されてしまったのか[GHQによる戦後日本改革]

当時の教科書から消されたり、墨塗りにされたりしたのは、主に**「軍事(戦争の美化)」「神話(天皇の神格化)」「領土(失った土地)」**に関するお話です。

代表的な具体例をいくつか挙げます。


1. 「英雄」として描かれた軍人の話

戦前・戦中の教科書には、自己犠牲を厭わず戦う軍人が「お手本」として登場していましたが、これらは「軍国主義を煽る」としてすべて削除されました。

  • 「爆弾三勇士(ばくだんさんゆうし)」: 上海事変で爆弾を持って敵陣に突っ込んだ3人の兵士の物語。自己犠牲の美学として教えられていましたが、真っ先に削除の対象となりました。
  • 「広瀬中佐(ひろせちゅうさ)」: 日露戦争で部下を助けようとして戦死した軍人。軍神として崇められていましたが、教科書から消えました。
  • 「乃木将軍(のぎしょうぐん)」: 日露戦争の英雄で、明治天皇への忠誠心が強い人物として描かれていましたが、これも削除されました。

2. 「神話」を「歴史」として教える話

日本の成り立ちについて、神話と歴史が混ざり合った物語も「非科学的であり、天皇崇拝につながる」として消されました。

  • 「天岩戸(あまのいわと)」: 天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れて世界が暗くなったというお話。
  • 「神武天皇(じんむてんのう)の東征」: 日本の初代天皇とされる神武天皇が、軍を率いて大和を征服する物語。これが「日本の歴史の始まり」として教えられていたため、削除されました。
  • 「三種の神器」: 天皇の正統性を示す宝物の話も、宗教的・政治的意味合いが強いため制限されました。

3. 戦争や軍隊を連想させる日常の話

一見、普通のお話に見えても、軍事的な要素が含まれていると削除されました。

  • 「水兵さん」や「軍艦」の歌: 「海ゆかば」のような忠誠を誓う歌や、軍艦を見て「かっこいい」と感じさせるような描写。
  • 「日の丸」の掲揚: 単に国旗を掲げるだけでなく、そこに宗教的な崇拝(宮城遥拝など)が伴うような描写。
  • 「バナナ」や「ヤシの実」: 前述の通り、台湾や南洋諸島が「日本の領土」として登場する話は、領土喪失に伴い修正・削除されました。

4. 「修身(しゅうしん)」の教科書そのもの

今の「道徳」にあたる「修身」は、特に内容が厳しくチェックされました。

  • 「教育勅語(きょういくちょくご)」: 天皇のために命を捧げることを含む教えは、教育の根本から取り除かれました。
  • 「忠君愛国」: 親孝行(孝)よりも天皇への忠誠(忠)を優先させるような価値観に基づいたお話は、すべて消されました。

💡 消された後の「変化」

興味深いのは、単に消すだけでなく**「書き換えられた」**ケースもあることです。

例:二宮金次郎(二宮尊徳) 戦前は「薪を背負って勉強し、お国のために尽くした偉人」として教えられていました。戦後は、**「お国のため」という部分が削られ、「苦学して自分の道を切り拓いた、努力家・合理主義者」**としての側面が強調されるようになりました。

このように、GHQは「日本人の勤勉さ」などは認めつつも、「それが戦争や天皇への忠誠に向けられないよう」に細かくコントロールしたのです。


当時の子供たちがどう感じていたかなど、当時の様子についてさらに詳しく知りたいですか? それとも、こうした改革の結果、次にどんな新しい教科書が作られたのかに興味がありますか?

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