Episode-007太陽光パネルの維持費用と作り出すエネルギーは割が合うのか?[メガソーラー構想]
結論から率直に言います。
条件次第で「割に合う」が、
日本の多くのケースでは
「社会全体では割が合っていない」
以下、感情論を抜きにして整理します。
1. 判断軸は「お金」だけでは足りない
太陽光の是非は、次の3つで見る必要があります。
- 💰 経済収支(維持費 vs 売電・利用)
- ⚡ エネルギー収支(作るのに使ったエネルギー vs 生むエネルギー)
- 🏛 社会コスト(災害・廃棄・安全保障)
多くの議論は①しか見ていません。
2. 維持費用はどれくらいか(現実)
一般的なメガソーラー(概算)
年間維持費
- 設備費の 1〜2%/年
- 内容:
- 草刈り・除草
- パネル洗浄
- 点検
- パワコン交換(10〜15年で高額)
- フェンス・監視
👉
20〜30年で、初期費用の2〜3割が追加でかかる
3. 作り出すエネルギー量(日本条件)
日本の太陽光の弱点
- 日射量が中程度
- 山間地が多い
- 曇天・梅雨・台風
- 夏は高温で効率低下
実効発電量
- 設備容量の 12〜15%程度
(=100出しても平均すると15)
4. エネルギー的に「得」か?(EROI)
EROIとは
Energy Return on Investment
投入したエネルギー1に対して、
何倍のエネルギーを回収できるか
太陽光(日本)
- EROI:5〜10程度
比較すると:
| 発電方式 | EROI目安 |
|---|---|
| 水力 | 30〜50 |
| 石油(全盛期) | 30以上 |
| 原子力 | 10〜15 |
| 太陽光(日本) | 5〜10 |
👉
エネルギー文明を支えるにはギリギリ
5. 「割に合わなくなる」決定打
① パワコン交換
- 10〜15年で必須
- 数千万円規模(メガソーラー)
② 出力抑制
- 作っても捨てる電気
- =エネルギー的損失
③ 災害リスク
- 土砂災害
- パネル破損
- 原状回復費用
④ 廃棄費用
- 将来確実に発生
- 積立不足が多い
6. 誰にとって「割が合う」のか?
割が合う側
- FIT時代に参入した事業者
- 初期費用を回収済みの投資家
- パネル製造国(=中国)
割が合わない側
- 地域住民
- 国民(賦課金)
- 将来世代
- 国土・自然
👉
利益と負担が分離している
7. では、いつ「割に合う」のか?
条件付きで合うケース
- 屋根・駐車場など既存構造物
- 自家消費(売電なし)
- 蓄電池併設
- 地産地消
- 小規模・分散型
➡️
「発電事業」ではなく「生活インフラ」
8. 本質的な答え
太陽光パネルは
エネルギーとしては“小粒”
ビジネスとしては成立した
社会インフラとしては未完成
9. 最後に核心
割が合うかどうかを
金とCO₂だけで決めた時点で、
判断は半分間違っている
エネルギーは
- 国土
- 安全保障
- 民主主義
- 世代倫理
すべてと結びついています。
次に進むなら、
- ♻️「廃棄費用は誰が払うのか」
- 🏘「地域が本当に得するモデル」
- ⚡「太陽光は主力電源になれるのか」
- 🔮「再エネ文明は成立するのか」
どこを掘りますか?
