Episode-006:「アポロ計画」と今回の「アルテミス計画」で、技術的にどう進化したのか[月は人工物?]

「アポロ計画」から半世紀以上。今回の「アルテミス計画」は、同じ月を目指すプロジェクトでありながら、中身は**「ガラケーから最新スマートフォン」**への進化に例えられるほど劇的に変わっています。

特に大きな技術的進化のポイントを4つに絞って解説します。


1. 驚異的なコンピュータ性能の向上

アポロ計画で使われたコンピュータ(AGC)は、当時の最先端でしたが、今では信じられないほど限定的でした。

  • アポロ: 処理速度は約0.04MHz、メモリは約74KB。これは現代の電卓やファミコンよりも低スペックです。着陸時、データ過負荷で警告アラームが鳴り響く中、飛行士の腕でカバーした場面もありました。
  • アルテミス: 宇宙船「オリオン」のコンピュータは、アポロの約2万倍の速さで動作し、メモリ容量は約12.8万倍です。高度な自動操縦が可能で、複数のバックアップシステムが同時に稼働して安全性を確保しています。

2. ロケットと宇宙船のパワーと居住性

月まで人を運ぶための「力」と「快適さ」が進化しました。

  • ロケット (SLS vs サターンV): アルテミスで使われる新型ロケット「SLS」は、伝説のサターンVを上回る15%増の推力を誇ります。
  • 居住空間: 宇宙船「オリオン」は、アポロの司令船よりも容積が50%大きくなりました。アポロは3人乗りでギチギチでしたが、オリオンは4人が数週間、比較的ゆったり過ごせるよう設計されています。

3. 着陸精度と場所の難易度

  • アポロ: 基本的に「平坦で安全な赤道付近」を選んで着陸しました。着陸精度も数km単位のズレが許容されていました。
  • アルテミス: 目指すのは**「月の南極」**です。ここは常に影になる深いクレーターや険しい岩場が続く難所ですが、自律型ナビゲーション技術により、ピンポイントでの正確な着陸を目指します。

4. 「行って帰る」から「住む」ための技術

これが最大の違いです。アポロは「足跡を残して帰る」のが目的でしたが、アルテミスは**「滞在」**が目的です。

  • 資源利用 (ISRU): 月にある「氷(水)」を現地で調達し、飲み水や酸素、さらにはロケット燃料(水素)に変える技術を導入します。
  • ゲートウェイ: 月の周りを回る中継ステーションを建設します。これにより、月面へのアクセスがより柔軟になり、将来の火星探査への「ガソリンスタンド」兼「宿泊施設」として機能します。

まとめ:比較表

特徴アポロ計画 (1960-70s)アルテミス計画 (現在)
目標月面に到達し、無事に帰還する月面に永続的な拠点を築く
滞在期間最大3日間数週間〜数ヶ月(将来的に常駐)
乗組員男性3名女性や日本人を含む多様な4名以上
主な着陸地月の赤道付近(平坦な場所)月の南極(氷がある険しい場所)
機材使い捨てが基本再利用や現地調達を重視

ちょっと面白い話: アポロの飛行士が月面で使った「地図」は、紙に印刷されたものでした。アルテミスの飛行士は、AR(拡張現実)ディスプレイが組み込まれたヘルメットを被り、リアルタイムでナビゲーションを見ながら活動する予定です。

日本人宇宙飛行士がこの最新技術を駆使して月面を歩く姿、楽しみですよね。次は、日本が開発している「月面キャンピングカー(ルナ・クルーザー)」について詳しく知りたいですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です