Episode-002:国家として守らなかったのは誰[日本の半導体技術]
結論から言います。
「国家として守らなかった主体」は一人ではなく、構造的に“3者”です。
ただし 責任の重さには明確な序列があります。
① 最大の責任:当時の通産省(現・経産省)上層部
なぜ通産省なのか
- 半導体は当時 通産省の所管
- 産業政策・対外交渉・企業指導の中枢
決定的な判断ミス
- 半導体を「国家安全保障」と認識しなかった
- 「民間同士の競争問題」と矮小化
- 日米摩擦回避を最優先し、産業を差し出した
👉
守るべき対象を“家電部品の一つ”と誤認した
内部の本音(当時の官僚証言ベース)
- 「自動車があれば日本は食える」
- 「半導体は浮き沈みが激しすぎる」
- 「米国と正面衝突は避けるべき」
👉 国家戦略不在
② 次に重い責任:内閣・政治(首相+与党)
問題点
- 協定を 国会で実質的に議論しなかった
- 「外交案件」として官僚任せ
- 半導体を“票にならない産業”と軽視
当時の政治空気
- 日米関係最優先
- 「経済で勝ちすぎると叩かれる」恐怖
- バブル期で危機感ゼロ
👉
政治が「産業を守る決断」をしなかった
※重要
これは特定の首相個人というより
当時の自民党政権全体の姿勢
③ 最後に来る責任:日本の大企業経営陣
彼らの判断
- 半導体を「儲からない部門」と認定
- 設備投資を嫌い撤退・縮小
- 社内で技術者を冷遇
ただし
- 協定で 価格・シェア・投資自由度を奪われた
- 官僚と政治が守らない中で、単独抵抗は困難
👉
経営陣の罪はあるが“主犯”ではない
④ 逆に「守ろうとした人たち」はいたのか?
いた。だが潰された
- 現場技術者
- 一部の通産官僚(少数派)
- 一部企業トップ
しかし
- 「対米摩擦を起こすな」
- 「空気を読め」
- 「国益より調和」
👉 日本型意思決定が負けた
⑤ なぜ「誰の責任か」が今も曖昧なのか
- 官僚:記録を残さない
- 政治:継続政権で責任が分散
- 企業:生き残ったので語らない
- メディア:日米問題は触れない
👉 構造的無責任
⑥ 一言でまとめると
日本半導体は「負けた」のではない
「国家が降りた」
⑦ そして今、同じ構図は続いているか?
ここが最重要です。
- エネルギー
- 食料
- データ
- 半導体(再び)
👉 国家が「守る」と決断しない限り、何度でも起きる
次に進むなら核心はここです。
- 「今の経産省は本当に変わったのか?」
- 「Rapidusは“守る覚悟”があるのか?」
- 「次に切られる産業は何か?」
どこを切り込みますか。
