Episode-003:なぜ日本は精製で負けたのか[レアアースの概要]
なぜ日本は「レアアース精製」で負けたのか
結論:技術ではなく「覚悟と構造」で負けた。
① 技術では勝っていた(ここが重要)
まず前提として――
日本は精製技術そのものでは負けていませんでした。
- 1980~90年代
- 分離・高純度化技術:世界トップクラス
- 半導体・磁石向け品質管理:日本が基準
- 実際
- 中国は 日本の装置・ノウハウを導入
- 技術者交流・合弁で技術吸収
👉 負けたのは「技術力」ではない
② 決定打①:環境規制を「正面から」守った
精製の現実
- 強酸・強アルカリ
- 有害廃液・放射性副産物
- 大量の汚泥
日本の選択
- 環境規制を厳格化
- 住民合意が取れない
- 採算が崩壊
中国の選択
- 環境を犠牲に操業
- 地方政府が全面支援
- 「汚染を飲み込んで国家利益」
📌 日本:正しいが続かない
📌 中国:続くが代償が重い
③ 決定打②:「民間任せ」にした国家
日本:
- 「市場に任せる」
- 赤字事業は撤退
- 国は長期保証をしない
中国:
- 国家戦略
- 赤字でも続ける
- 価格操作で海外企業を潰す
👉 日本企業は勝てる土俵を失った
④ 決定打③:1990年代の“安値攻勢”
中国は意図的に
- レアアースをダンピング価格で輸出
- 世界価格を崩壊させた
結果:
- 🇯🇵 日本・🇺🇸 米国・🇫🇷 欧州
→ 精製事業 撤退 - 🇨🇳 中国
→ 独占完成
📌 これは「自然淘汰」ではなく
計算された産業破壊
⑤ 決定打④:精製=儲からないという誤解
日本の発想:
- 「付加価値は下流にある」
- 「汚い工程は海外に」
しかし現実は:
- 精製を握る者が
- 価格を決め
- 供給を止め
- 産業を人質に取る
👉 精製は“汚いが最重要”だった
⑥ 決定打⑤:安全保障の視点がなかった
- 当時の日本:
- 資源=経済問題
- 安全保障と切り離し
- 中国:
- 資源=国家主権
2010年の輸出制限で
ようやく日本は気づいたが…
👉 戻るには遅すぎた
構造的まとめ(超重要)
日本: 中国:
環境重視 国家優先
民間任せ 国家主導
短期採算 長期戦略
下流重視 上流支配
一言で言うと
日本は「正しい国」で、中国は「勝つ国」だった。
では、今から取り返せるのか?
- ✔ 技術:まだある
- ❌ 規模:足りない
- ❌ 覚悟:政治判断が必要
- ❌ 国民合意:未形成
👉 「環境・安全・国益」を同時に満たす新モデルが必要
次に進めるなら:
- 「今から日本が精製を取り戻す現実ルート」
- 「中国がこのカードを切る“本当の条件”」
- 「環境を壊さず精製できる技術はあるのか」
- 「同じ失敗を半導体で繰り返していないか」
