Episode-004:代替技術は本当に中国を外せるのか[レアアースの概要]
結論から言います。
短期(~5年)では無理。
中期(5~15年)で「一部は外せる」。
長期(15年以上)で初めて“戦略的自立”が見える。
つまり
👉 代替技術は「希望」にはなるが、「即効薬」ではない
というのが現実です。
まず前提:何を「外す」のか
中国依存は1点ではありません。
① レアアース元素そのもの
② 分離・精製プロセス
③ 磁石・材料量産ノウハウ
代替技術は
✔ ①を減らす
✔ ②を別ルートにする
❌ ③まで一気に置き換える
のは非常に難しい。
① 非レアアース磁石は使えるのか?
有力候補
- フェライト磁石
- アルニコ磁石
- 新型鉄系磁石(研究段階)
現実
- 出力:ネオジム磁石に劣る
- サイズ:大きく重くなる
- 効率:EV航続距離が下がる
📌 結論
- 家電・低性能モーター → 代替可
- EV・航空・防衛 → ほぼ不可
👉 中国を外す代わりに
性能か価格を犠牲にする覚悟が必要
② 重希土類「削減技術」はどうか?
これは現実的(重要)
- ジスプロシウム使用量を
- 30~70%削減する技術は実用化済
- 日本はここで世界トップ
ただし…
- ゼロにはできない
- 最後の数%がどうしても中国依存
📌 結論
「減らせるが、切れない」
③ リサイクル(都市鉱山)は主力になれる?
強み
- 中国を通らない
- 日本は回収・分離技術が高い
限界
- 回収量が少ない
- EV・風力が本格廃棄されるのは10~20年後
📌 結論
- 今:補助輪
- 将来:重要柱
- 今すぐの救世主ではない
④ レアアースを使わないモーター設計
例
- 誘導モーター
- スイッチドリラクタンスモーター
問題点
- 騒音・振動
- 制御が難しい
- 高速域の効率が低い
📌 結論
- 定置用途・特殊用途 → 可
- EVの主力にはなりにくい
⑤ 精製プロセス革新は?
ここが最大の希望であり、最大の壁。
研究中
- 溶媒を使わない分離
- 電気化学的分離
- バイオ分離
現実
- 実験室レベル
- 量産・コスト・安定性が未解決
📌 結論
技術的ブレイクスルーが起きれば
唯一「中国を完全に外せる可能性」がある
しかし
いつ起きるかは誰にも分からない
全体まとめ(重要)
| 項目 | 中国を外せるか |
|---|---|
| 非レアアース磁石 | △(性能犠牲) |
| 重希土類削減 | △(完全不可) |
| リサイクル | △(時間が必要) |
| モーター代替 | △(用途限定) |
| 新精製技術 | ◎(未成熟) |
本当の答え
代替技術は「中国を倒す剣」ではなく
「中国カードを切りにくくする盾」
中国はこう見ています:
- 「止めても、相手はすぐ死なない」
- だから 効くところだけ止める
だから現実解はこれ
- 完全代替を夢見ない
- 依存度を30~50%まで落とす
- 精製だけは国家事業で死守
- 民需を切って有事耐性を作る
👉 これで初めて
「中国を外せなくても、脅せなくする」
次に行くなら、かなり核心です:
- 「中国は本当に“止める”のか?」
- 「止めるとしたらどの元素か?」
- 「日本が今すぐやるべき一手」
- 「これは半導体と同じ罠か?」
どこまで踏み込みますか。
