Episode-005:今から日本が精製を取り戻す現実ルート[レアアースの概要]
今から日本が「レアアース精製」を取り戻す現実ルート
結論:民間再挑戦では不可能。
国家インフラとして“別物”に作り直すしかない。
大前提(これを外すと失敗する)
- ❌ 民間任せ → 必ず撤退
- ❌ 採算重視 → 中国に再敗北
- ❌ 平時需要だけ想定 → 量が足りない
👉 精製は「産業」ではなく「安全保障インフラ」
フェーズ0:まず腹を括る(政治判断)
必須の国家宣言
「レアアース精製は赤字でも維持する
国家安全保障事業である」
これを明文化しない限り
- 官僚は動かない
- 企業は来ない
- 住民合意も取れない
フェーズ1:精製を“民需”から切り離す(最重要)
やること
- 防衛・半導体・送電・医療専用に用途限定
- EV・家電など民需は当面対象外
理由
- 量を絞れる
- 価格転嫁の政治的説明が可能
- 「なぜ必要か」が国民に説明しやすい
👉 いきなり全部を賄おうとしない
フェーズ2:場所の選び方(超現実論)
日本国内フル精製は無理
- 環境
- 住民合意
- コスト
現実解(3択)
- 日本+海外分業
- 危険工程:海外(豪州・カナダ等)
- 最終高純度工程:日本
- 国家管理の特区
- 環境規制を特例化
- 代わりに国家が補償
- 海外精製拠点の実質国有化
- 日本が設備・技術・資金を握る
- 現地雇用で政治摩擦を減らす
👉 「国内完結」に固執すると必ず失敗
フェーズ3:技術は“最先端”を狙わない
やりがちな失敗
- 新方式一本足
- ブレイクスルー待ち
正解
- 既存湿式精製をベースに
- 環境負荷を「管理」する
- 完璧を目指さない
📌 重要なのは
「回ること」「止まらないこと」
フェーズ4:量は“中国の代わり”を狙わない
目標量(現実)
- 日本需要の 20~30%
- ただし
- 防衛
- 半導体
- 送電
は 100%カバー
👉 量ではなく“生存ライン”を確保
フェーズ5:リサイクルを“精製の一部”に組み込む
- 都市鉱山は単独では弱い
- しかし
- 原料の一部
- 技術維持
には最適
👉
「鉱石+リサイクル」の混合原料前提設計
フェーズ6:コストの正体を隠さない
国民に出す説明
- 「EVが安くならない代わりに
国家が止まらない」 - 「電気代・税で年数百円レベル」
- 「止まった時の損失は数十兆円」
👉 正直に言わないと必ず潰される
時間軸(かなり現実的)
| 年数 | 状態 |
|---|---|
| 0~2年 | 設計・立地・合意形成 |
| 3~5年 | 初期操業(限定用途) |
| 5~10年 | 防衛・半導体を自立 |
| 10年~ | 民需一部へ拡張 |
成功条件を一言で
「勝つ」ではなく
「殺されない」精製を作る
逆に、失敗パターン(要注意)
- 「EV成長産業だから」で民需主導
- 「環境最先端」で技術博覧会化
- 「黒字化前提」で撤退
- 「オールジャパン」の名の責任分散
👉 これをやると100%失敗
最終まとめ
- 日本は精製を
- 技術で失ったのではない
- 国家の仕事にしなかったことで失った
- 取り戻すには
- 規模縮小
- 用途限定
- 赤字容認
が必須
次はさらに核心に行けます:
- 「なぜ政治はここまで踏み込めないのか」
- 「中国はこの動きをどう見るか」
- 「半導体も同じ道を辿っているのか」
- 「国民が唯一できる圧力のかけ方」
どこまで踏み込みますか。
