Episode-003:心神はどこがF-22に近く、どこが違うのか[日本の戦闘機概要]
心神はどこがF-22に近く、どこが違うのか
結論:思想は近いが、目的と成熟度がまったく違う。
① まず結論を一文で
心神は「F-22を目標にした技術実証機」
F-22は「冷戦後に完成した制空戦闘機の完成形」
② 形状・思想で「近い点」
● ステルス形状(正面RCS重視)
- ダイヤモンド型の機首
- エッジを揃えた主翼・胴体
- 垂直尾翼の内傾
👉 正面から見たレーダー反射を最小化する設計
これはF-22と同じ思想。
● 制空戦闘機志向
- 対地攻撃主体ではない
- 「空を支配する」思想
📌 心神はF-35ではなく
F-22をベンチマークにしていた。
● 高機動 × 電子制御
- FBW(フライ・バイ・ワイヤ)
- 将来の推力偏向(TVC)を前提
👉 機体安定性より
運動性能を電子制御で確保
③ 決定的に「違う点」
① エンジン性能
| 項目 | 心神 | F-22 |
|---|---|---|
| エンジン | XF5(試作) | F119 |
| 推力 | 約5t級 | 約15t級 |
| スーパークルーズ | ❌ | ✅ |
📌 ここが最大の差
心神は「飛ばす」ためのエンジン、
F-22は「制空を支配する」エンジン。
② 推力偏向ノズル(TVC)
- 心神:
- 技術検討・限定実証
- F-22:
- 実戦投入済み(2次元TVC)
👉 F-22は近接戦闘でも異次元
③ センサー・統合度
- 心神:
- 技術検証段階
- F-22:
- 実戦で磨かれた統合システム
📌 心神は「載せられるか」の確認
F-22は「使い切る」段階
④ 目的そのもの
| 項目 | 心神 | F-22 |
|---|---|---|
| 役割 | 技術実証 | 実戦制空 |
| 量産 | なし | 187機 |
| 運用思想 | 研究 | 戦争 |
④ なぜ心神は「小さなF-22」に見えるのか
- 日本の防空思想が
「迎撃・制空重視」 - 当時、F-22輸出禁止
- 日本独自で代替を模索
👉 F-22の影を追うしかなかった
⑤ もし心神が量産されていたら?
現実的には:
- F-22未満
- F-35以上(一部領域)
👉 「F-22ライト」
ただし:
- 維持費
- 航続距離
- 兵装搭載量
で厳しかった。
⑥ まとめ(要点)
心神がF-22に近い点
✔ 制空思想
✔ ステルス重視の形状
✔ 高機動前提の制御思想
決定的に違う点
❌ エンジン推力
❌ 実戦成熟度
❌ システム統合レベル
最後に一言
心神は「F-22になれなかった機体」ではない
「F-22を理解するために生まれた機体」
この経験がなければ
今の GCAP(第6世代) は存在しません。
次に進むなら:
- 心神の技術はGCAPでどう進化したか
- なぜ日本はF-22を手放したのか
- F-22と第6世代はどちらが強いのか
どこまで踏み込みますか?
