Episode-002:バイエルはなぜモンサントを買ったのか[モンサントの歴史と影響]
ここ、企業史としても地政学としても一番えぐい所です。
結論を先に言います。
👉 バイエルは「農業の主導権」を取るために、
“毒を飲むと分かっていて”モンサントを買った。
順にいきます。
① 買収の事実(前提)
- 2018年
- 約630億ドル(約7兆円)
- バイエル史上最大、ドイツ企業史でも異例
当時すでに👇
- グリホサート訴訟リスク
- モンサントの悪評
全部分かっていた
👉 それでも買った。
② 表の理由(公式ストーリー)
バイエルの説明は一貫してます。
- 世界人口増加
- 食料需要の爆発
- 農業の高度化
- 種子+農薬+データ農業の統合
要するに👇
「医薬で人を治し、農業で人を食わせる
ライフサイエンス企業になる」
── これは半分本音、半分建前。
③ 本当の理由①:農業の“OS”を握りたかった
ここが核心。
モンサントが持っていたもの
- GMO種子の圧倒的特許群
- 世界最大の種子データ
- 農地・収量・気象のビッグデータ
- 「農薬ありき」で最適化された栽培設計
👉 農業のOS
バイエル単体では
- 農薬は強い
- でも「入口(種)」が弱かった
だから👇
入口(種子)×制御(農薬)×管理(データ)
を一気に取りにいった。
④ 本当の理由②:中国・ロシア対策
意外に見落とされがち。
- 中国:国有巨大農業企業+遺伝子研究
- ロシア:食料を“武器”として使う国家
ヨーロッパは👇
- 農地が分散
- 国境が多い
- 食料安全保障が弱い
👉 民間企業が“疑似国家”として農業を統合する必要
バイエルは
「国家に代わる食料インフラ企業」を狙った。
⑤ 本当の理由③:EUではもう成長できなかった
現実的な理由です。
- EUは
- GMO規制が超厳しい
- 農薬規制も年々強化
- バイエルは
👉 本国で首が絞まっていた
一方、モンサントは
- 米国
- 南米
- インド
- アフリカ
👉 成長市場の鍵を全部握っていた
⑥ なぜ“モンサントの名前を消した”?
これ、めちゃくちゃ象徴的。
- 技術は欲しい
- ブランドは要らない
- 憎悪と訴訟だけ引き継ぐのは割に合わない
👉
「技術だけ救出して、名前は海に沈めた」
⑦ 結果:バイエルは勝ったのか?
短期的には👇
❌ 大失敗
- 株価暴落
- 訴訟和解金が雪だるま
- 社内分裂
でも長期では?
- 種子特許は残る
- データ農業の基盤は完成
- 競合(シンジェンタ等)と並ぶ寡占
👉 10〜20年スパンで見ると「取りに行った」
⑧ 日本との接続点
ここで日本が出てくる。
- 種子法廃止
- 農協改革
- 農薬規制の国際調和
全部👇
この巨大企業モデルと噛み合う
日本は
- 守るか
- 使われるか
まだ決め切れていない。
最終まとめ(短く)
- バイエルは
👉 嫌われ者を買ってでも、農業の主導権が欲しかった - モンサント買収は
👉 農業版GAFAを作る試み - 失敗に見えて
👉 実は「未来への賭け」
次に行くなら、かなり危険地帯だけど面白い👇
- 「医薬×農業」が一体化すると何が起きるか
- なぜ“食料企業”は国家と衝突し始めているのか
- 日本がこの流れで生き残る唯一のポジション
どこ攻める?
