Episode-001:なぜ米国でここまで拡大したか[フェンタニルのリスク]
これは単一原因じゃなく、制度・企業・医療文化・社会不安が全部噛み合った結果。時系列で見ると一気に腹落ちする。
① 出発点は「合法」だった(1990年代)
キー事件:OxyContin(オキシコンチン)
- 製薬会社が
👉「依存性はほぼない」「慢性痛にも安全」
と誤解を招く形で大規模営業 - 医師向け講習・パンフで
👉「痛みは第5のバイタルサイン」
👉「痛みは我慢させるな」 - 結果:オピオイド処方が爆発的増加
📌 ここで国民全体がオピオイド耐性を獲得し始めた
② 規制強化 → 逆に地獄(2010年前後)
- 乱用・死亡が社会問題化
- 政府が処方規制を強化
- しかし👇
- すでに依存している人は切れない
- 医療ルートが閉じる
- 代替先が闇市場へ
👉 ヘロイン時代の再来
③ フェンタニルが「最適解」になってしまった理由
売る側(違法組織)視点で見ると…
| 要素 | フェンタニル |
|---|---|
| 原料 | 合成(ケシ不要) |
| コスト | 極端に安い |
| 輸送 | 微量でOK |
| 密売 | 混ぜ物に最適 |
| 利益 | 最大 |
👉 **「最も儲かる麻薬」**になった
④ 使用者は「フェンタニルを選んでいない」
ここが一番エグい。
- ヘロイン・覚醒剤・コカインに
勝手に混入 - 使用者は
👉「いつもの量」で
👉「知らずに致死量」
📌 死亡者の多くはフェンタニル使用の自覚がない
⑤ 社会構造が燃料を投下
- 医療費が高すぎる
- 精神医療・依存治療が不十分
- 失業・貧困・孤立
- 銃社会+救急アクセス格差
👉 一度転落すると戻れない構造
⑥ 決定打:供給網のグローバル化
- 前駆体:主に中国系ルート
- 合成:メキシコ
- 流通:米国内ギャング
👉 国家をまたぐ分業体制
👉 取り締まっても「形を変えて復活」
まとめ(1行で)
米国は「合法医療で依存を量産」→「規制で切り捨て」→「最も危険な闇市場に押し出した」
日本にとって他人事じゃない理由
- 高齢化+疼痛治療増加
- 合成麻薬は水際で止めにくい
- SNS・闇通販が既に入口
次に行くなら
- 「日本で同じ道を辿る条件」
- 「なぜ欧州は比較的抑えられたか」
- 「フェンタニル危機は終わるのか」
どれ行く?
