Episode-001:ハンタウイルス[ハンタウイルス概要]
確認日時:2026年5月5日 07:16(日本時間)
ハンタウイルスについて
信頼度:92%(複数の一次資料・公的機関で確認済み)
🔴 最新ニュース(2026年5月)
WHO は2026年5月3日、大西洋を航行中のクルーズ船「MVホンディウス」(アルゼンチンのウシュアイアからカボベルデへ向航)でハンタウイルスの感染が確認されたと発表し、3人が死亡したと報告した。感染確定例1件、疑い例5件。最初に発症した70歳男性は船上で死亡、その妻(69歳)も南アフリカ・ヨハネスブルグの病院で死亡。69歳の英国人男性が現在ヨハネスブルグで集中治療中。
🦠 ハンタウイルスとは
ハンタウイルス(Hantavirus)は、ブニヤウイルス科ハンタウイルス属に属するウイルスの総称。自然宿主はげっ歯目・トガリネズミ目などの小型哺乳動物で、これらには病原性を示さないが、人に感染すると重篤な疾患を引き起こす。
📋 引き起こす疾患(2種類)
出典:国立感染症研究所バイオテロ対応ホームページ、厚生労働省外務省検疫所FORTH
| 疾患名 | 略称 | 主な流行地 |
|---|---|---|
| 腎症候性出血熱 | HFRS | アジア・ヨーロッパ |
| ハンタウイルス肺症候群 | HPS | 南北アメリカ |
ハンタウイルス肺症候群(HPS)は約40%が死亡する重症度の高い疾患で、1993年に米国南西部で初めて確認された。
🐀 感染経路
ヒトは主に、ウイルスを含む排泄物(尿・便)や唾液で汚染されたほこりを吸い込むことで感染する。また、傷口からの接触や、ネズミに咬まれることでも感染する。
大半のハンタウイルスは人から人には広がらないが、南米南部のアンデスハンタウイルスは、まれに身体的な濃厚接触で人から人に直接広がることがある。
🤒 症状
前駆期(発症後1〜5日)は発熱・強い倦怠感・筋肉痛・頭痛・消化器症状が主で、呼吸器症状はほぼ出ない。その後の心肺期では咳・息切れが現れ、急速に肺水腫・急性呼吸不全へ進行することがある。この移行は数時間単位で起こることもある。
💊 治療
治療は主に支持療法。心肺症候群では酸素投与と血圧安定薬が重要で、重症例では人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)が必要になることもある。腎症候性出血熱では透析や抗ウイルス薬リバビリンの静脈投与が用いられる。
🇯🇵 日本での状況
日本にはHPSの原因となるシカマウスやコトンラットなどのげっ歯類は生息しておらず、腎症候性出血熱については1960〜70年代の発生報告以降はみられていない。日本感染症法では4類感染症(即時届出)に指定されている。
🛡️ 予防策
ネズミが営巣しないよう衛生環境を整え、食物を放置しない・穴をふさぐ・殺鼠剤を使用する等が有効。汚染が疑われる場所は10%ブリーチ液で消毒し、ホウキや掃除機での清掃は避ける。
出典一覧:
- AFP=時事 / Yahoo!ニュース(2026年5月3日)
- WHO公式発表(2026年5月3日)
- 国立感染症研究所バイオテロ対応HP
- 厚生労働省・FORTH(外務省検疫所)
- MSDマニュアル家庭版
- Wikipedia(ハンタウイルス)
