Episode-001:医療費と財政インパクトの具体的試算[終末期医療の概要]
医療費・財政インパクトの具体的な試算(日本の終末期医療)
終末期医療の費用がどれほどかかるかを具体的な数値で見ると、次のようなデータが知られています。
📌 ① 死亡前 24 か月(2 年間)の医療・介護費
ある日本の調査では、75 歳以上の死亡者について、死の前 24 か月間にかかる「医療」と「長期介護」費用を保険データから分析しています。
- 75〜84 歳 の死亡者:
- 医療費(医療保険分):約 4,135,467 円
- 介護費(長期介護保険分):約 1,300,710 円
- 合計 ≒ 約 5,436,177 円 / 人
- 85 歳以上 の死亡者:
- 医療費:約 2,493,001 円
- 介護費:約 2,723,239 円
- 合計 ≒ 約 5,216,240 円 / 人
疾患によっては合計が 5 百万円〜9 百万円規模になる例もあります。(J-STAGE)
👉 医療費は比較的「若い高齢者(75–84 歳)」で高く、85 歳以上では介護費が増え、総費用はほぼ同じ傾向です。(J-STAGE)
📌 ② 過去の大規模データ(60 か月=5 年間)の試算
別の研究では、死亡前 60 か月(約 5 年)間の医療・介護総費用を見たところ、
- 医療費+長期介護費の合計平均:
- 約 US$135,851(約 1,500 万円前後/5 年)
- うち 死亡前 12 か月 だけでも:
- 約 US$50,731(約 550 万円前後)(SpringerLink)
👉 終末期に近づくほど医療費は高く、最後の 1 年だけで年間平均より大きな支出が集中する傾向があります。(SpringerLink)
📌 ③ 全体に占める割合の感触
日本の医療経済の専門家分析では、
- 「死亡前 1 か月間の医療費」は 総医療費の約 3%程度 と評価されています。
→ 巨大な負担の大部分を占めるわけではないという見解もあります。(全国保険医団体連合会 –)
🔎 日本全体としてどれくらいのインパクト?
日本の年間医療費は数十兆円規模(2020 年は約 37.2 兆円程度)です。(ZipDo)
その中で「終末期医療だけを切り出した大規模な統計」は公的数字として明確な割合は示されていませんが、
- 死亡直前の医療費は割合としては一部に過ぎないという指摘
- 個別に見ると一人当たり数百万円〜数千万円規模の費用がかかる
――という形で整理できます。
📍 試算から読み取れるポイント
✅ 一人あたりの終末期費用は高い
→ 医療保険+介護保険を合わせると、死亡前 1〜2 年で 約 500–900 万円/人 という試算例あり。(J-STAGE)
✅ 医療費のピークは終末期に近いほど上昇しやすい
→ 最後の数か月〜 1 年間の支出は平均より大きくなる。(SpringerLink)
✅ 国全体の医療費のうち終末期だけが大部分を占めるわけではない
→ 死亡前 1 か月分の費用は総医療費全体の数%程度と試算されるという見解もあります。(全国保険医団体連合会 –)
🧠 公的負担の考え方
- 医療保険・介護保険の費用は国や自治体と患者・家族で分担する公的制度でまかなわれます。
- 終末期医療を減らせば財政負担が下がるという単純な主張には、医療・ケアの必要性や患者・家族の意思への配慮といった面で慎重な見方が必要です。
必要なら、次は「在宅で終末期ケアをする場合の費用比較(病院 vs 自宅 vs 施設)」や「介護保険の具体的な支出内訳と負担割合(自己負担・公費)」など、より詳しい数字とシミュレーションでも整理できますよ。どちらを見たいですか?
