Episode-001:2025〜2032年の米国債償還スケジュール[アメリカ長期国債償還]
2026年3月7日時点のデータを基に説明します。
米国債には
- 短期(T-Bills:1年以内)
- 中期(2〜10年)
- 長期(20〜30年)
がありますが、金融市場で「償還の壁(maturity wall)」と言われているのは、主に中長期の国債の借換え額です。
研究機関やBloombergの推計では、次のような巨大な借換え波があります。
2025〜2032 米国債の償還・借換えスケジュール(概算)
※T-Bill除く中長期国債
| 年 | 償還・借換え額 |
|---|---|
| 2025 | 約2.4兆ドル |
| 2026 | 約2.8兆ドル |
| 2027 | 約3.1兆ドル(ピーク) |
| 2028 | 約2.5兆ドル |
| 2029 | 約2.1兆ドル |
| 2030 | 約2.0兆ドル |
| 2031 | 約1.9兆ドル |
| 2032 | 約1.8兆ドル |
※出典:Bloomberg等の国債満期データ分析 (flossbachvonstorch-researchinstitute.com)
さらに重要な数字
短期国債も含めると
👉 今後12か月で約10.2兆ドルが借換え
になります。 (flossbachvonstorch-researchinstitute.com)
これは
米国債残高の約1/3
に相当します。
なぜ市場が騒いでいるのか
理由はシンプルです。
① 超低金利で借りた国債
2020〜2021
金利
0〜1%
② 今の借換え金利
2024〜2026
4〜5%
つまり
例
1兆ドル
1% → 年100億ドル利払い
↓
5% → 年500億ドル
利払い5倍
実際に起きていること
米国政府の利払い
| 年 | 利払い |
|---|---|
| 2020 | 約3450億ドル |
| 2024 | 約8700億ドル |
| 2025 | 1兆ドル規模 |
(国防費レベル)
世界の投資家が見ている最大ポイント
金融市場の関心は
デフォルトではなく
1️⃣ 国債を誰が買うか
2️⃣ 金利がどこまで上がるか
3️⃣ FRBが再びQEするか
です。
実はもっと大きな問題
米国債は
平均満期 約5.8年
なので
👉 2030年までにほぼ全部が借換え
になります。
つまり
今の高金利が続くと
利払いが爆発的に増える
もし興味あればですが、
この話の核心である
「米国債を実際に支えている5つの買い手」
(日本・FRB・銀行・年金・ヘッジファンド)
を解説すると、
なぜ世界が今“米国債危機”を議論しているのかがかなりクリアに見えます。
