Episode-003:欧州は本当に成功しているか[洋上風力の現状]
欧州の洋上風力は本当に成功しているか?
結論から言うと――
**「技術・導入量では成功」だが、「価格と事業安定性では揺れている」**が現実です。
① 導入規模では明確に成功
特に成功例とされるのが:
- 🇬🇧 イギリス
- 🇩🇰 デンマーク
- 🇩🇪 ドイツ
- 🇳🇱 オランダ
イギリス
世界最大級の洋上風力市場。
発電電力量の約25%前後を風力が占める年もあります。
→ 産業化・サプライチェーン構築は成功。
② しかし「価格」では問題も
2022~2024年にかけて
- 建設費高騰
- 金利上昇
- 資材価格上昇
により、多くの案件が採算悪化。
イギリスでは入札価格が低すぎて
応札ゼロという事態も発生。
👉 「安くなり続ける」は一度止まりました。
③ 電気料金は下がったのか?
ここが重要。
欧州の電気料金は2022年に急騰しました。
主因は
- ロシア産ガス停止
- LNG価格高騰
風力が多くても、
市場価格はガス火力が決める構造だからです。
つまり
✔ 洋上風力があっても
✔ ガス価格が上がれば電気代は上がる
④ それでも「成功」と言える点
1. エネルギー安全保障は改善
ロシア依存を減らせた。
2. 産業競争力を獲得
タービンメーカーや港湾整備産業が育成。
代表的企業:
- Ørsted
- Siemens Gamesa
3. 長期的には価格安定要因
燃料費ゼロはやはり強い。
⑤ 失敗と言われる部分
⚠ 補助金依存が強い
⚠ 電力市場設計の歪み
⚠ 送電網不足
⚠ 事業者の財務悪化
実際、Ørstedは一部プロジェクトで巨額減損を計上しました。
⑥ 日本にとっての教訓
日本が欧州から学ぶべき点:
✔ 入札価格を下げすぎない
✔ 国産サプライチェーンを育てる
✔ 送電網整備を先行させる
✔ 金利上昇リスクを織り込む
シンプル結論
| 観点 | 評価 |
|---|---|
| 導入量 | 成功 |
| 産業育成 | 成功 |
| 電気料金抑制 | 微妙 |
| 財務安定性 | 揺れている |
欧州は「完全成功」でも「失敗」でもありません。
長期戦では成功方向、短期は荒れている
が最も現実に近い評価です。
さらに踏み込みますか?
- 欧州の電気料金は今どうなっているか
- 日本は同じ失敗をするか
- 原発とのコスト比較
- 浮体式は欧州でも苦戦しているか
どこを深掘りますか?
