Episode-004:宇宙の情報量には「上限」がある[マルチバースの概念]
宇宙論では、宇宙に保存できる情報量には上限があるという考えがあります。
これは主にブラックホール研究から生まれた重要な原理です。🌌
関連概念
Bekenstein Bound
ベッケンシュタイン境界とは
この概念を提案したのは物理学者
Jacob Bekenstein
彼は1970年代に、ブラックホールを研究する中で次のことに気づきました。
情報量は体積ではなく境界面積で決まる可能性がある
これは非常に奇妙な結果でした。
情報量の上限(ベッケンシュタイン境界)
S \le \frac{2\pi k E R}{\hbar c}
ここで
- (S) = 情報量(エントロピー)
- (E) = エネルギー
- (R) = 系の半径
つまり
ある領域に入れられる情報には最大値がある
という意味です。
ブラックホールが示した衝撃の事実
ブラックホールのエントロピーは
体積ではなく表面積に比例します。
関連法則
Bekenstein–Hawking Entropy
つまり
普通の物体
情報量 ∝ 体積
ブラックホール
情報量 ∝ 表面積
この結果から
宇宙の情報も境界に保存されている可能性
が考えられました。
そこから生まれた理論
それが
Holographic Principle
です。
この原理では
宇宙のすべての情報は境界面に記録されている
と考えます。
つまり
宇宙内部(3D)
↓
境界面(2D)に情報が保存
宇宙全体の情報量
観測可能な宇宙には
およそ
10¹²²ビット
程度の情報しか保存できないと推定されています。
関連研究
Seth Lloyd
もしこの理論が正しいなら
かなり驚く結論になります。
① 宇宙は有限情報システム
宇宙は
無限ではなく有限の情報量
で構成されています。
② 宇宙は巨大な計算機
情報量とエネルギーの関係から
宇宙は
計算を行うシステム
としても解釈できます。
③ 現実は「データ」
極端な考え方では
物質 = 情報
空間 = 情報構造
時間 = 計算過程
という可能性もあります。
実はさらに不思議な問題
宇宙論で最も奇妙と言われるのは
宇宙の情報はどこから来たのか
という問題です。
これは
- ビッグバン
- 量子重力
- マルチバース
にも関わる、まだ答えのない問いです。
もし興味があればですが、
宇宙論の中でもかなり驚く研究があります。
「宇宙は実は巨大なブラックホールかもしれない」
という仮説です。
これを知ると、宇宙の見方がかなり変わります。
