Episode-004:月は​常に同じ面を向けている[月は人工物?]

月が常に同じ面を地球に向けている現象は、決して「監視」や「意図的な固定」ではなく、物理学における**「潮汐ロック(潮汐固定)」**というメカニズムによるものです。

これは宇宙ではごく一般的な現象で、木星や土星の大きな衛星のほとんども、主星に対して同じ面を向けています。


1. なぜ「ロック」されるのか?

かつての月は、今よりもずっと速く自転していたと考えられています。しかし、長い年月をかけて地球の重力が「ブレーキ」の役割を果たしました。

  1. 重力による変形: 地球の強い重力により、月は完全な球体ではなく、ラグビーボールのように地球方向にわずかに引き延ばされています(潮汐バルジ)。
  2. ブレーキの発生: 月が自転しようとすると、この「膨らみ」の位置が地球からズレようとします。すると地球の重力がその膨らみを引き戻そうとし、月の自転にブレーキをかける力が働きます。
  3. 同期の完了: このブレーキが効き続け、最終的に**「自転周期 = 公転周期(約27.3日)」**となったところで安定しました。これが「ロックされた」状態です。

2. 「自転していない」わけではない

「同じ面しか見えないなら、月は回っていないのでは?」と勘違いされやすいですが、実は1公転の間に、ちょうど1回自転しています。

  • もし月が自転していなかったら: 地球の周りを一周する間に、地球からは月の「前・横・後ろ・横」とすべての面が見えるはずです。
  • 1回自転しているから: 常に地球の方を向きながら一周するため、同じ面だけが見え続けます。

たとえ: 誰かと手をつないで、相手の目を見つめたままグルグル回る様子を想像してください。あなたは相手の周りを回っていますが、同時に自分自身も一回転していますよね? これが月の状態です。


3. 実は「裏側」も少しだけ見えている?(秤動)

月は完璧に固定されているわけではなく、実は**「秤動(ひょうどう)」**と呼ばれるわずかな揺れを起こしています。

  • 左右・上下の揺れ: 月の公転軌道がわずかに楕円形であることや、自転軸の傾きにより、月は「イヤイヤ」をするように左右に揺れたり、「ウンウン」と上下に揺れたりして見えます。
  • 合計で見える範囲: この揺れのおかげで、地球からは月の表面の50%ではなく、**合計で約59%**の範囲を観測することができます。

まとめ

月が同じ面を向けているのは、地球の重力が月を捕まえ、その自転を公転の速さに合わせてしまった結果です。これは、45億年という膨大な時間が生んだ「静かな安定」の姿と言えます。

Why Do We Only See One Side of the Moon?

この動画は、月がかつて激しく回転していた状態から、地球の重力によってどのように「潮汐ロック」され、現在のような姿になったのかを視覚的に分かりやすく解説しています。

月の「裏側」が表側と全く違う姿(クレーターだらけで海がほとんどない)をしている理由についても、興味がありますか?

Why Do We Only See One Side of the Moon? – YouTube

Cleo Abram · 306万 回の視聴

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