Episode-006:中国は本当に“止める”のか?[レアアースの概要]
全面停止はしない、選択的に絞る。
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結論から言います。
中国は「全面停止」はほぼしない。
しかし 「効く相手・効く元素・効くタイミング」を選んで、必ず“絞る”。
なぜ「全面停止」をしないのか
中国にとって不利が大きいからです。
- WTO・国際世論の反発
- 2010年の教訓:露骨だと敗訴・逆風
- 自国産業への跳ね返り
- 中国企業自身もレアアースを使う
- 代替投資を加速させてしまう
- 相手を本気で覚醒させるのは最悪手
👉 だから “止め切らない”。
では、何をどうするのか(現実の手口)
① 元素を選ぶ(ここが核心)
- ❌ セリウム・ランタン(量が多く代替可)
- ⭕ ジスプロシウム/テルビウム等の重希土類
- 供給が細い
- 在庫が薄い
- 価格が跳ねやすい
👉 「少量で最大ダメージ」
② 相手を選ぶ
- ❌ 全世界
- ⭕ 特定国・特定用途
- 安全保障関連
- ハイエンド半導体
- 先端EV
👉 表向きは
「環境検査」「輸出許可の遅延」「国内需要優先」
③ タイミングを選ぶ
中国がカードを切るのは、だいたい次の時。
- 制裁・輸出規制を食らった直後
- 技術封鎖で追い詰められた時
- 国内経済が悪化し、外に敵が必要な時
👉 「報復」ではなく「交渉材料」
日本に対してはどうか
結論
日本単独を完全に止める可能性は低い。
ただし「日本が痛む形」での調整は十分あり得る。
理由:
- 日本は
- 技術供与元
- 精密装置の供給国
- 中国も完全対立は避けたい
👉 だから
止めるなら“静かに・部分的に・言い訳付き”
実際に起きるとしたら、こうなる
突然の全面停止 ❌
↓
輸出許可が遅れる
↓
一部元素だけ出てこない
↓
価格が数倍に跳ねる
↓
日本企業が自主的に生産調整
📌 止めたのは中国ではなく「市場」という形
一言でまとめると
中国はレアアースを「武器」とは言わない。
しかし「レバー」として必ず使う。
- 引き金は引かない
- でも指は常にかかっている
日本に必要な前提認識
- 「止めないはず」は甘い
- 「止まらないようにする設計」が唯一の防御
- 依存度30%を切れば、中国カードは鈍る
次に進むなら、いよいよ実務です:
- 「どの元素が最優先で危ないか(日本版)」
- 「止められた瞬間の初動マニュアル」
- 「半導体と同時に来た場合、どちらを守るか」
- 「中国が“止めない条件”とは何か」
どこまで踏み込みますか。
