Episode-006:外日本版“種子主権”は作れるか?[みつひかりの特徴]
🌾 日本版「種子主権」は作れるか?
結論:作れる。だが“昔の種子法に戻す”だけでは不十分。
公的育種+知財戦略+データ主権を束ねた“次世代モデル”が必要です。
1) いまの前提
- 2018年に 主要農作物種子法 は廃止
- 2020年改正の 種苗法 で登録品種は許諾制強化
- 都道府県の奨励品種(例:コシヒカリ 系統など)は依然大きな基盤
👉 コメ主食用は“完全外資支配”が起きにくい構造だが、
野菜・飼料は外資寡占の影響が強い。
2) 日本版“種子主権”の設計図(現実的ルート)
A. 公的育種の再強化(基盤)
- 都道府県試験場の安定財源化(交付金の恒久枠)
- 基幹作物は公共育種をコアに据える
- 登録期限切れ品種のオープン利用を拡充
狙い:価格アンカーと交渉力を国内に残す
B. 知財の“攻め”戦略(収益化)
- 高付加価値品種は国内登録+海外出願を標準化
- 流出対策(輸出先国での権利確保)
- 民間と共同育種でロイヤルティを国内還流
狙い:守るだけでなく、稼ぐ
C. データ主権(見落とされがち)
- 栽培・土壌・収量データを国内プラットフォームで管理
- 海外アグリテック依存を回避
- 契約栽培でもデータ帰属を国内に
狙い:種子より“上流の意思決定権”を確保
D. 多層モデル(リスク分散)
- 主食用=公共主導
- 業務・輸出用=公民連携
- 在来種・固定種=地域保全枠
狙い:一枚岩にせず、用途別に最適化
3) ハードル(現実の壁)
- 研究人材の高齢化・不足
- 予算制約(短期成果を求めがち)
- 農家の担い手減少
- 野菜種子の世界寡占(例:バイエル、シンジェンタ)
👉 制度設計より“人と金”がボトルネック。
4) 成功確率(私見)
- コメ主食用の主権維持:高い
- 野菜の完全内製化:低い(現実的でない)
- “選択的主権”モデル:中〜高
5) 10年ロードマップ(現実案)
- 〜2028:公的育種の恒久財源化+海外出願の標準化
- 〜2032:国内アグリデータ基盤を統合
- 〜2035:用途別の多層モデルを法制化
🎯 本質
“種子主権”は
種そのものの所有よりも
価格・知財・データの主導権を国内に残せるかで決まる。
さらに踏み込むなら:
- JAは味方か、ボトルネックか?
- 在来種を国家戦略にできるか?
- コメ輸出拡大は主権強化につながるか?
どの論点から攻めますか?
