Episode-007:月面キャンピングカーについて[月は人工物?]
日本が誇る技術の結晶、それが**「ルナ・クルーザー(LUNAR CRUISER)」**です。
これはJAXAとトヨタ自動車が共同開発している有人月面車で、その名の通り、トヨタのSUV「ランドクルーザー」のように「必ず生きて帰ってこられる」という信頼性を月面で実現することを目指しています。
単なる移動手段ではなく、宇宙服を脱いで過ごせる**「家そのものが動く」**という画期的な乗り物です。
1. 「ルナ・クルーザー」の驚くべきスペック
最大の特徴は、車内が地球と同じ気圧に保たれた**「与圧(よあつ)空間」**であることです。
- 広さ: 約10畳(4畳半の居住スペース)。通常は2名、緊急時は4名が滞在可能です。
- 宇宙服いらず: 車内ではTシャツなどの軽装で過ごし、食事や睡眠も取ることができます。
- 走行距離: 月面を1万km以上走破する能力を目指しています。これは月の周囲(約1.1万km)をほぼ一周できる距離です。
- 自動運転: 険しいクレーターや岩場を避けながら、自律走行する機能も備えています。
2. トヨタの「水素技術」が鍵
月にはガソリンスタンドもコンセントもありません。そこで活躍するのが、トヨタの燃料電池技術(FC)です。
- 再生型燃料電池: 太陽光パネルで発電し、月の水(氷)を電気分解して水素と酸素を作ります。
- 夜間も安心: 太陽の当たらない月の夜(約2週間続きます)は、溜めた水素と酸素を使って発電し、暖房や生命維持装置を動かし続けます。
- 究極のエコ: 排出されるのは「水」だけなので、その水を再び飲料水や燃料として再利用する循環サイクルが構築されます。
[Concept image of the Toyota/JAXA Lunar Cruiser on the moon surface]
3. 日本人宇宙飛行士が「運転手」に?
2024年4月、日米の間で正式に**「日本人宇宙飛行士2名が月面に降り立つ」**という合意が交わされました。
この合意の大きな柱が、このルナ・クルーザーの提供です。「日本が世界最高の移動拠点を提供する代わりに、日本人が月面を歩く」という、技術力を武器にした国際貢献の形と言えます。早ければ2031年の打ち上げを目指しています。
4. なぜ「車」が必要なのか?
アポロ計画でも月面車(バギー)はありましたが、それは「屋根なし」で、宇宙服を着たまま近場を走るだけのものでした。
- 活動範囲の拡大: 宇宙服での歩行は数kmが限界ですが、ルナ・クルーザーがあれば数百km離れた調査地点まで遠征できます。
- 安全な避難所: 宇宙放射線や急な温度変化から飛行士を守る「シェルター」としての役割も果たします。
まとめ
日本の自動車技術が、人類の月面生活を支えるインフラになろうとしています。まるでSFアニメのようですが、これは現在進行形で開発が進んでいる現実のプロジェクトです。
この動画では、ルナ・クルーザーの内部構造や、月面での過酷な環境(マイナス170度からプラス110度まで変化する温度など)にどう立ち向かうのかを詳しく紹介しています。
この「動く家」で月を旅する日本人飛行士が何を発見するのか、ワクワクしませんか?次は月面での「食事」や「トイレ」など、もっと具体的な生活面に興味はありますか?
