Episode-010:予防治療も並行してスタートさせ何もかも良い方向に向かう想定ではいつ頃医療費は半分に出来るか[国の医療費の内訳と推移]
率直に言うと――
予防医療を最大限成功させても、医療費を“半分(約48兆円→24兆円)”にするのは現実的ではありません。
理由を、できるだけ具体的に示します。
① まず構造の確認
日本の医療費は約48兆円。
その中で「予防で大きく減らせる部分」は主に生活習慣病です。
大まかな構造モデル
- 生活習慣病関連:約12兆円
- がん:約5兆円
- 高齢者慢性疾患(老化由来):約10兆円
- 整形・骨関節系:約5兆円
- その他急性疾患:約16兆円
※基礎データは 厚生労働省 公表統計に基づく概算構造
② 「理想的な予防国家」シナリオ
仮定:
- 肥満30%減
- 糖尿病25%減
- 高血圧20%減
- 喫煙ほぼゼロ
- 運動習慣大幅改善
かなり成功したケースです。
③ その場合の削減可能額
生活習慣病:20〜30%減
→ ▲2.5〜3.5兆円
整形系(運動改善)10%減
→ ▲0.5兆円
がん(喫煙・肥満関連)5〜10%減
→ ▲0.3〜0.5兆円
合計:最大でも約4〜5兆円
つまり:
48兆円 → 43兆円程度
削減率は約10%前後
④ なぜ半分にならないのか?
半分=24兆円にするには
24兆円削減が必要。
しかし:
- 75歳以上の医療費は人口構造依存
- 老化自体は防げない
- 高額医薬品(がん免疫治療など)は単価上昇
- 医療人件費はむしろ上昇圧力
高齢者人口ピークは
国立社会保障・人口問題研究所 推計で2040年前後。
この構造がある限り、
予防だけで総額を半分にするのは理論上ほぼ不可能
⑤ では「半減」が起こるとすれば?
以下のような“構造革命”が必要です:
- 高齢者人口が急減
- 延命医療の大幅縮小
- 高額薬剤の価格半減
- 医療提供体制の再設計
これは予防医療の範囲を超えます。
⑥ 現実的な最良ケース
予防+制度改革が極めて成功しても:
▶ 2040年代に増加停止
▶ 2050年頃に横ばい
▶ その後ゆるやか減少
しかし「半分」には届きません。
⑦ 重要な視点
国家全体では半減は困難ですが、
個人レベルでは医療費リスクは半分以上下げられる可能性がある。
国家は構造に縛られますが、
個人は生活習慣で大きく変えられる。
もしよければ次を深掘りしますか?
- 医療費+介護費を合わせても半減は不可能か
- 人口が今の半分になれば医療費はどうなるか
- AI・医療革命が起きた場合の未来予測
どの未来シナリオを見ますか?

