Episode-011:政府保有が20%以下に下がった場合のシナリオ[ドコモ株外資状況]
※本日:2026-02-18
対象:日本電信電話株式会社
前提
現在は 政府が約1/3を保有している特殊構造。
仮にこれが 20%以下へ低下した場合、単なる株主比率の変化以上の意味を持ちます。
ポイントは:
「形式的な支配力」よりも
「象徴的な支配力の低下」が大きい。
① 法制度面での変化
NTTはNTT法の対象企業であり、
- 政府は一定割合の保有義務
- 外国人保有制限
- 重要事項の承認制
などの枠組みがあります。
政府保有が20%以下になるには:
✔ NTT法の改正
✔ 政策的判断の変更
が前提になる可能性が高い。
つまりこれは
政策転換シナリオを意味します。
② 経営パワーバランスの変化
現在:
- 政府:約33%
- 海外:10~15%
- 国内機関・個人:残り
仮に:
- 政府:20%未満
- 海外:20%前後
となると、
「最大株主」ではあるが
絶対的拒否権的ポジションではなくなる。
特に:
- 特別決議(2/3)
- 経営統合
- 大規模資産売却
で政府の単独影響力は低下。
③ 起こり得る3つのシナリオ
シナリオA:市場企業化の加速(最も現実的)
影響:
✔ 資本効率重視へシフト
✔ 自社株買い拡大
✔ 低収益部門の整理
✔ ROE目標明確化
→ 海外機関との対話強化
→ 「国策企業」色が徐々に薄れる
株価面では:
- バリュエーション改善期待
- ディフェンシブから“準市場企業”へ再評価
シナリオB:海外比率上昇 → ガバナンス国際化
もし海外保有も20%超なら:
- 取締役構成の国際化
- 独立社外取締役増加
- ESG開示強化
政府の影響力が下がることで
国際基準との整合性がより重要になる。
シナリオC:アクティビスト参入可能性
現在は政府保有が強い抑止力。
20%以下になると:
✔ 物言う株主の参入ハードル低下
✔ 事業再編要求
✔ 上場子会社整理要求
ただしNTTの規模が巨大なため、
全面対決型アクティビズムは依然難しい。
④ 株価への影響
短期
- 売出しによる需給悪化(政府売却局面)
- 一時的な下落圧力
中期
- 浮動株増加
- 海外資金流入余地拡大
- バリュエーション再評価
長期
- ROE改善なら株価上昇余地
- 政策制約緩和で成長戦略自由度増
⑤ リスク要素
政府保有が減ることで:
- 安全保障分野の議論活発化
- 通信インフラの外資影響懸念
- 外為法の監視強化
など政治的論点が再浮上する可能性。
⑥ 本質的変化
政府33% → 20%未満は、
単なる「13%減」ではない。
それは:
「政策企業」から
「資本市場企業」への重心移動
を意味します。
⑦ パワーバランス比較
| 状態 | 経営の重心 |
|---|---|
| 政府33% | 政策安定型 |
| 政府25% | 均衡型 |
| 政府20%未満 | 市場主導色強化 |
| 政府10%未満 | ほぼ民間企業型 |
結論
政府保有が20%未満になると:
✔ 経営自由度は拡大
✔ 市場規律は強化
✔ 海外投資家の存在感増大
✔ 株価の市場感応度上昇
ただし、
完全民営化とは別物
国家インフラ企業という性格は残る
さらに踏み込みますか?
- 完全民営化(政府10%未満)ならどうなるか
- 海外比率30%超と同時に起きた場合の複合シナリオ
- 安全保障と株主価値の衝突シナリオ分析
どこまで掘り下げますか?

