Episode-012:日本が国産クラウドを持つべき理由[データセンターとは]
重要テーマですね。
感情論ではなく、戦略・安全保障・産業政策の3軸で整理します。
結論(先に)
日本が国産クラウドを持つべき理由は
「外資を排除するため」ではなく
「交渉力と最終統制権を持つため」
です。
① 安全保障の観点
■ 有事リスク
クラウドは:
- 行政システム
- 金融決済
- 医療データ
- 電力制御
- 防衛情報
を支えています。
もし海外本社の判断で:
- サービス停止
- 技術更新停止
- 制裁対象化
が起きれば、国家機能が麻痺します。
■ 域外法の問題
海外企業は本国法に従います。
つまり:
日本国内にあっても
外国政府の命令対象になる可能性
これがデータ主権の核心。
② 経済安全保障
クラウドは今や:
電気・水道と同じ基盤インフラ
ここを全て外資に依存すると:
- 価格交渉力低下
- 技術主導権喪失
- 収益の海外流出
長期的に産業基盤が弱体化。
③ 産業育成の観点
クラウドは:
- AI
- 半導体
- 通信
- サイバーセキュリティ
すべての上位レイヤー。
国産クラウドがなければ:
- 国内エンジニア育成が進みにくい
- 自前のAI基盤が弱い
- 標準技術を握れない
④ では「全部国産」でいいのか?
現実的ではありません。
理由:
- 投資規模が桁違い(数兆円)
- グローバルエコシステムに劣る
- AI競争に遅れる可能性
⑤ 現実的な解は「二層構造」
レイヤー1:国家基幹系
- 行政
- 防衛
- 重要インフラ
→ 国産・国内統制
レイヤー2:民間・商用
→ 外資も活用
これが最も合理的。
⑥ 本当の目的
国産クラウドを持つ意味は
外資に依存しないためではなく
外資と対等に交渉するため
選択肢を持つことが主権。
⑦ リスク
ただし国産化にも問題:
- コスト増
- 技術競争力不足
- 政府主導の非効率化
国家プロジェクトは失敗リスクも高い。
⑧ 日本の現状
日本は今:
- 完全国産ではない
- 完全外資依存でもない
- 管理型共存モデル
ただしAI時代に入り、
このバランスが揺れ始めている。
最後に本質
問いはこれです:
「効率」と「主権」
どこで線を引くか?
完全効率を取れば主権は薄まり
完全主権を取ればコストが上がる。
さらに踏み込みますか?
- ① 国産クラウドは本当に作れるのか?
- ② 具体的に誰が担うべきか?
- ③ 欧州モデルとの比較
- ④ 日本が10年後に後悔するパターン
どこまでリアルに行きますか?
