ホルムズ海峡進捗2026/10/18

ホルムズ海峡進捗レポート
2026年10月18日(日)|日本時間
今回のレポートでは、ホルムズ海峡の通航状況、イラン・米国などの外交・軍事動向、日本の原油輸入やガソリン・電気・ガス料金への影響を整理します。
特に重要なのは、海峡が物理的に封鎖されているかどうかだけでなく、商船が実際に通航できるか、保険料や輸送費が上昇しているか、原油の供給が日本まで届いているかという3点です。
1. 10月18日時点の結論
通常の商船通航は依然として深刻な危機
米国とイランは海峡の支配権をめぐって対立し、船舶への攻撃も続いています。一方、原油輸送が完全にゼロになったわけではありません。
Al Jazeera
+1
原油通航量
1,160万
バレル/日
10月13日までの7日間
戦争前の基準
1,710万
バレル/日
比較基準
上記はKplerの数値としてアルジャジーラが10月17日に報じたもの。戦争前の約68%の水準です。
Al Jazeera
重要な判断:正常化には至っていません。 原油輸送は一部回復しているものの、船舶攻撃、軍事的な対立、保険・運賃の高騰が重なり、安定した供給ルートとはいえない状態です。
2. 直近の重大ニュース
10月17日
米国とイランが海峡の支配権を主張
英国海事当局UKMTOが把握した10月16日までの1週間の船舶攻撃は少なくとも12隻。うち1隻が沈没、2隻が航行不能になったと報じられています。報告されていない攻撃もあるため、実際の件数はさらに多い可能性があります。
Al Jazeera
10月14日〜16日
船舶攻撃が続き、原油輸送に支障
ロイターは、イランが船舶を狙う新たな戦術を展開していると報道。別の報道では、米国の対イラン海上封鎖を回避してLPGなどを輸出する船舶も確認されています。海峡周辺の安全と輸送の予測可能性は回復していません。
Reuters
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10月15日〜16日
輸送費は高止まり、運賃には一時的な低下も
ロイターによると、米国から日本へ原油を運ぶ大型タンカーの航海費用が約8,100万ドルに達した事例が報じられました。一方、10月16日には大型タンカー運賃の一部が直近の最高値から低下。運賃の下落は輸送正常化を意味するとは限りません。
Reuters
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3. 日本への影響:ガソリン・電気・ガス
日本は原油の中東依存度が高いため、ホルムズ海峡の混乱が長引くと、原油価格だけでなく輸送費や保険料の上昇も負担になります。
| 項目 | 10月18日時点の評価 | 家計への影響 |
|---|---|---|
| ガソリン | 上昇圧力が強い | 給油価格に影響 |
| 灯油・軽油 | 上昇圧力あり | 暖房費・物流費に影響 |
| 電気料金 | 今後の燃料費に影響 | 燃料費調整などを通じて波及する可能性 |
| 都市ガス | LNG調達・輸送への影響に注意 | 料金への影響は契約・反映時期次第 |
| 食料品・日用品 | 輸送費や製造コストに波及 | 時間差で値上がりする可能性 |
※表は供給混乱から想定される影響経路です。10月18日時点の各料金の値上がり幅を示したものではありません。
日本政府の対応
10月13日、日本政府はエネルギー供給を安定させるための法案3本を閣議決定しました。
- ホルムズ海峡を避けた原油調達に伴う追加輸送費を支援する仕組み
- 海上保険が確保できない場合に、原油・石油製品・LNGなどの輸送を支える仕組み
- 代替輸送ルートに必要なパイプラインなどへの支援
これらは閣議決定された法案であり、すべての支援策がすでに実施済みという意味ではありません。
Reuters
+2
また、政府関係者は10月の原油調達量について、2025年の月平均と同程度を確保できる見込みだと説明しています。ただし、原油の調達量を確保できることと、価格を安く維持できることは別問題です。
MarketScreener
4. 今後7〜30日間の見通し
シナリオA:攻撃が継続する
警戒が必要
船舶の迂回、保険料の高止まり、原油価格の変動が続きます。日本では燃料費や物流費への負担が長期化する可能性があります。
シナリオB:限定的な通航回復
不安定な回復
一部の船舶が通航できても、攻撃リスクや高い保険料が残れば、原油価格や輸送費がすぐに平常化するとは限りません。
シナリオC:停戦・航行安全の合意
正常化への道
継続的な安全確認と船舶通航の回復が進めば、運賃・保険料・原油価格の低下につながる可能性があります。ただし、価格への反映には時間差があります。
これは今後の条件別シナリオであり、確率を算出できるだけの確実な情報はありません。
5. 次に注目すべき5項目
- 船舶の実際の通航数 — 発表上の通航可能性ではなく、タンカーが継続的に通れているか。
- 船舶攻撃と機雷の情報 — 攻撃件数と、米国・イラン双方の発表が独立した情報で裏付けられているか。
- ブレント原油価格 — 10月14日の終値は1バレル106.06ドル。直近の価格推移と合わせて判断する必要があります。
Reuters
- 日本の原油調達・備蓄 — 調達量だけでなく、輸送にかかる日数や代替供給源も重要です。
- 米国・イランの交渉 — 通航条件、制裁、海上封鎖、安全確保について具体的な合意が成立するか。
総括
2026年10月18日時点では、ホルムズ海峡は一部の原油輸送が継続している一方、船舶への攻撃と軍事的対立によって正常な商業航行が大きく損なわれている状態です。米国とイランの双方が支配権を主張しており、外交的な解決もまだ確認できません。
Al Jazeera
+1
日本については、原油の物理的な不足だけでなく、輸送費・保険料の上昇が家計や企業に及ぼす影響を注視する必要があります。
情報の基準日:2026年10月18日(日本時間)
情報源: Al Jazeera(10月17日)、Reuters(10月13〜16日)、S&P Global(10月13日)、時事通信配信記事(10月13日)。通航量・攻撃件数は報道機関や海事情報機関の集計に基づき、すべての船舶を把握できているとは限りません。
信頼度:91% — 海峡の危機的状況と日本への影響経路については複数の報道で確認できています。一方、軍事発表の食い違い、未報告の攻撃、今後の外交交渉については不確実性が残ります。

