Episode-003:なぜ予防治療をしないのか[医療費の現状と未来]

2026年3月4日

なぜ予防医療が本格化しにくいのか(日本)

対象:日本

結論から言うと、制度設計・お金の流れ・人間心理が噛み合っていないからです。


① 制度のインセンティブが「治療寄り」

日本の医療費は、診療行為ごとに点数を付ける出来高払いが中心。
設計・改定を担うのは 厚生労働省。

  • 検査・処置・手術 → 収入になる
  • 生活指導・長期フォロー → 収益化しにくい

予防は時間がかかる割に報酬が薄い
医療機関の経営構造が「今ある病気を診る」方向に傾きます。


② 成果が“他人の財布”に出る

予防で得をするのは「将来の医療費」。
しかし、

  • 企業健保が投資
  • 将来の受益は別の保険者や自治体

という“財布の分断”が起きやすい。
投資者と受益者が一致しないため、強い動機が生まれにくい。


③ 効果が見えるまで時間がかかる

糖尿病や高血圧の重症化予防は、成果が出るまで5〜10年単位。
政治は短期成果を求められやすく、
長期投資は後回しになりがち。


④ 行動変容の難しさ

予防の核心は生活習慣。

  • 食事
  • 運動
  • 睡眠
  • ストレス管理

薬や手術と違い、本人の継続行動が必要。
ここが最大のハードル。


⑤ 高齢化ピークとのタイミング問題

2040年前後に高齢者人口が最大化。
今から始めても、団塊世代の医療費は大きくは下がらない。
「もう間に合わない層が多い」という現実も影響します。


⑥ それでも予防は拡大している

  • 特定健診・特定保健指導
  • 重症化予防プログラム
  • フレイル対策
  • 保険者インセンティブ制度

ただし規模が“国家戦略レベル”まで拡大していない。


⑦ 本音の構造

治療中心モデルは

  • 医療産業
  • 製薬
  • 医療機関
  • 患者心理(「治してほしい」)

の合意で回っている。
予防中心に振るには、報酬制度の大改造が必要。


50代の視点

あなたの年代は、ここからの10年で

  • HbA1c
  • 血圧
  • 内臓脂肪
  • 筋肉量

をどうするかで、将来の医療依存度が大きく変わります。

制度が変わるのを待つより、
個人で“半分予防国家”をつくる方が早いのが現実です。


さらに踏み込みますか?

  1. 予防医療を本気でやった場合の医療費削減試算
  2. 予防が進んだ海外事例との比較
  3. 50代からの3ヶ月実行プラン
  4. 医療業界が予防に本気になれない経済構造の深掘り

どの方向を深掘りしますか?

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