Episode-001:「日本の鉄道」に歓喜したベトナムの迷走について[ベトナムの鉄道迷走]

「日本の鉄道」に歓喜したベトナムの迷走について調べます。まず日付を確認します。確認日時:2026年5月19日(火)


ベトナムの「日本の鉄道」をめぐる迷走の全体像

信頼度:82%(複数の信頼性の高いソースで確認)


① 背景:ベトナム人の悲願だった南北高速鉄道

ベトナム政府が国民の長年の夢であるハノイとホーチミンを結ぶ高速鉄道計画に関して、日本に支援を要請したとのニュースがベトナムで大きく伝えられた。

現在の統一鉄道(在来線)は1935年開業という古い狭軌路線で、ハノイからホーチミンまで約29時間もかかる。南北を結ぶ高速鉄道の建設はベトナムの悲願だった。


② 「日本の新幹線」への歓喜と最初の挫折(2007〜2010年)

2009年11月にベトナムのグエン・タン・ズン首相が来日して鳩山由紀夫首相と会談した際、日本の新幹線方式の導入を検討していると伝えていたことが明らかになった。2010年5月20日開会のベトナム国会にて高速鉄道計画について審議されたが、同年6月16日に計画案は否決された。

日本側もJICAを通じ計画策定支援を行い、ベトナム研修生たちは「ひっきりなしに東京駅を発着する新幹線の様子に驚いた」という記録が残っている(出典:JICA ODA見える化サイト)。


③ 長年の迷走(2010〜2024年)

南北高速鉄道は2007年に構想が浮上。日本の新幹線を導入することが考えられていたが、膨大な投資額が懸念され2010年の国会で否決された。のちに最高速度を200km/h程度に下げた準高速鉄道の整備案が浮上したが、2016年以降は2010年に否決された従来計画ベースでの再検討が行われるなど不透明な情勢が続いていた。

約6兆5千億円を投じ時速350キロで結ぶ高コスト案に政府内でも異論が噴出。速度を時速200キロに落とすことでコストを半減できる案も浮上した。(※日経新聞・2019年報道)

2024年10月、ベトナム運輸省は自国予算と自国の技術で行う用意があると発表し、新幹線の輸出計画は先行き不明となった。


④ 2024年〜2026年:計画の「再浮上」と新たな混迷

ベトナム国会は2024年11月30日、南北高速鉄道の投資計画を承認した。2027年の着工、2035年の完成を目指す。投資額は約10兆1100億円で、自国資金での建設を目指す。技術面では外国からの支援を受けることになるとみられるが、詳細は決まっていない。

2025年4月、ファム・ミン・チン首相は当初予定より1年早い2026年末の建設開始を目指し、入札手続きの整備を急ぐよう指示した。


⑤ 有力民間企業・ビングループの参入と撤退

ビングループ傘下のビンスピードとチュオンハイ自動車(Thacoグループ)が投資案を提出したが、ビンスピードは2025年12月、他のプロジェクトへの経営資源集中を理由に南北高速鉄道工事参加への撤退を表明した。

ビンスピードは南北高速鉄道からは撤退する一方、ハノイ〜クアンニン高速鉄道やホーチミン市内の別路線など都市経済圏を支える回廊型インフラに注力している。


⑥ 日本 vs 中国の受注争い

コストを重視した場合には中国が受注する可能性が高いが、これまでの経緯や政治面を重視した場合には日本が受注獲得競争に勝利する可能性がある。

日本は2010年にJICAを通じてこのプロジェクト支援をした最初の国。2024年3月には日本側代表者が資金を提供する用意があると述べ、技術面だけでなく資金面でも支援する決意を示した。中国、韓国も投資に関心を表明している。


⑦ 「迷走」の本質的な問題点

「中国がダメなら日本がある。日本がダメなら、欧米からカネを引っ張ればいい」と思っている節があり、高速鉄道計画はその象徴的案件ではないか、という指摘がある。国家プロジェクトと言っても計画はずさんで、支援ばかりを求め自腹をできるだけ切らないようにしてくる、という批判もある。(※Yahoo!ニュース・山田順氏)


まとめ表

時期出来事
2007年高速鉄道構想発表、日本ODA期待
2009年首相来日、新幹線導入検討表明
2010年国会で計画否決(費用問題)
2016年〜計画再検討、JICA再協力
2024年10月「自国技術で建設」発表、新幹線案が不透明に
2024年11月国会が投資計画を承認(670億ドル)
2025年12月有力民間企業ビンスピードが撤退
2026年末建設開始を目標(現在進行形)

出典: 日経新聞、JETRO、Wikipedia(ベトナム南北高速鉄道計画)、JICA ODA見える化サイト、鉄道プレスネット、ニューズウィーク日本版、Yahoo!ニュース(山田順)、大和コーポレート、Capital AM

注記: 技術選定(日本・中国・欧州のどこになるか)は2026年5月現在も未確定であり、「日本の新幹線採用」は確定していません。その点は推測段階です。

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