ホルムズ海峡進捗2026/10/01

ホルムズ海峡進捗【2026年10月1日】

結論から言うと、10月1日現在、ホルムズ海峡は「完全封鎖」ではありません。
一方で、安全が正常化したとも言えず、通常の商船が自由に通航できる状態には戻っていません。 9月末にかけて原油・LNGの通航量はかなり回復していますが、日本の海運業界は依然として海峡への進入を危険と判断しています。

1.現在の通航量は「戦争前の約8割」まで回復

Kplerのデータでは、9月第4週のホルムズ海峡を通過した原油・石油製品は、

  • 約1,310万バレル/日
  • 戦争前:約1,710万バレル/日
  • 戦争前の約77%

まで回復しています。

つまり、「完全封鎖」という状況からはかなり変化しています。
CNNも9月30日、この水準を「戦争前の80%弱」と報じています。(CNN Japan)

2.船舶の通過も9月に増加

Lloyd’s List Intelligenceによると、9月14~20日の非イラン関連船舶の通過は、

項目9/7~13日9/14~20日
総通過数106117
東向き5162
西向き5555
タンカー・ガス船8295

となっています。

9月は紛争開始後では、6月の覚書期間を除けば最も通航が活発な月になるペースとされています。(Lloyd’s List Intelligence)

3.LNGも回復傾向

9月28日時点では、カタール発のLNG船もホルムズ海峡を再び通過し始めています。

8月にはカタールのラスラファン港関連LNG船の目立った通航がほぼ確認できない状況でしたが、9月には複数のLNG船が海峡を通過。

これは、原油だけでなく天然ガス輸送も徐々に再開していることを示しています。(Reuters)


4.しかし「安全になった」とは全く言えない

ここが今回の重要ポイントです。

9月30日、日本船主協会の長澤仁志会長は、

現時点では日本の海運会社としてホルムズへ入る判断はできない

という認識を示し、現在の状況について**「とても入ることができない」**との趣旨を説明しました。

一方、ペルシャ湾内に取り残されていた日本関係船舶については、9月30日時点で残る3隻を除き、通過準備が整った船舶はペルシャ湾から脱出できたとしています。(TBSニュースディグ)

したがって、

「石油タンカーは通っている」
=
「日本の一般商船も安全に通れる」

ではありません。


5.現在は「米軍の支援+特殊な運航」で通航量を維持

現在の通航回復には、

  • 米海軍による支援・護衛
  • タンカーの航路・運航方法の変更
  • AIS(船舶自動識別装置)を停止する「ダーク・トランジット」
  • サウジなどの輸出ルート変更
  • 海峡を通過できる船舶を選別

などが関係しています。

つまり、平時と同じ条件で通航量が回復したわけではありません。

CNNは、米軍の支援を受けたタンカーなどによって流量が回復している一方、世界の石油備蓄が低下しており、燃料価格も高い水準にあると分析しています。(CNN Japan)


6.外交面では「再開」の交渉が続いている

9月30日、イランは米国から最新の回答を受け取ったと発表しました。

イラン側が提示した案には、

①米国によるイラン港湾への封鎖解除
↓
②イランによるホルムズ海峡の再開
↓
③正常な海上交通の回復

という方向性が含まれていました。

ただし、米国側とイラン側では、どの措置を先に実施するかで隔たりがあるとされています。

カタールが仲介して交渉を継続していますが、9月30日時点では最終合意には至っていません。(Reuters)


7.原油価格への影響

9月30日のブレント原油は、

103.50ドル/バレル

で終了。

前日比91セント上昇し、9月だけで約14%上昇しました。(Reuters)

さらにReutersが9月30日にまとめたアナリスト調査では、2026年のブレント平均価格予想が

89.05ドル/バレル

まで引き上げられています。

背景には、ホルムズ海峡を含む湾岸地域の輸出がまだ完全には正常化していないことがあります。(Reuters)


8.日本への影響

日本にとって特に重要なのは、

「ホルムズ海峡を通れる原油があるか」ではなく、
「日本向けタンカーが安全に継続して通れるか」

です。

9月30日の日本船主協会の発言を見る限り、現時点では後者が解決していません。(TBSニュースディグ)

したがって10月1日時点では、

項目状況
ホルムズ海峡完全封鎖ではない
原油通過量戦争前の約77%まで回復
タンカー通航大幅回復
LNG通航回復傾向
日本船の安全な通常運航まだ困難
米軍の関与重要
米・イラン交渉継続中
原油価格100ドル超
完全正常化まだしていない

現状を一言で表すと

「封鎖状態からかなり回復したが、軍事的緊張が残った“限定的な通航再開”」

という段階です。

特に今後は、①米・イラン交渉が成立するか、②米軍による護衛・支援が継続できるか、③イランが再び商船攻撃を強めるか、④日本船が実際に通常航行へ戻れるかの4点が重要です。

信頼度:93%
※9月30日~10月1日に公表されたReuters、CNN、Lloyd’s List、日本船主協会・国土交通省などを照合。ただし、軍事・船舶位置情報はリアルタイムで変化するため、「10月1日早朝の瞬間的な全船舶状況」までは公開情報だけでは完全には確認できません。 (Reuters)

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