地球の核の変化

ファクトチェック:「地球の核が回転停止・逆回転」報道
日付確認:今日は2026年7月7日。この見出しはYahoo!ニュース(スペースチャンネル)に掲載された記事で、Xでの投稿は2026年5月5日のもの。ただし内容の科学的根拠は2023年1月23日発表の研究が元ネタです。
元ネタの特定
複数ソースを突き合わせた結果、根拠は同一の研究であることを確認しました。
- 北京大学のイー・ヤン氏とシャオドン・ソン教授が地震波を使って内核の動きを調べ、英科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に掲載
- 論文発表日:2023年1月23日付で査読付き学術誌「ネイチャー・ジオサイエンス」に掲載
- 研究内容:地震や核実験によって生じる地震波の観測から、内核が2009年頃から回転を一時停止し、その後回転の向きが変わった可能性が示唆された。1971年頃にも同様の現象が起きたとみられ、研究者は内核が約70年ごとに回転を一時停止し、逆回転すると考えている
つまり「新しい異変」ではなく、3年以上前の研究がタイトルを変えて繰り返し記事化されているものです(同じ見出し・同じ研究が2023年、2024年、2026年と複数回”使い回し”されている)。
重要な反論・注意点(見落としがちな点)
これが今回最も重要なポイントです。専門家の間では、この「逆回転」という表現自体が誤解を招く不正確な報道だという批判があります。
- 南カリフォルニア大学の地震学者ジョン・ヴィデール氏は、この研究データすべてをうまく説明できるモデルは存在しないと指摘
- 地球科学者の間で「絶対に起きていない」とされているのは、内核が実際に逆転して反対方向へ回転し始めているということであり、これは多くのメディアの見出しが誤って伝えている内容だ
- 天文学者フィル・プレイト氏は見た記事はすべて完全に間違っていると発言
- 科学的に正確な表現:変化しているのは内核の「回転速度」だけであり、外核より速く回る「スーパーローテーション」と遅く回る「サブローテーション」を行き来しているだけで、回転方向自体は常に同じ
- オーストラリア国立大学の地球物理学者フルボイエ・トカルチッチ氏も「内核は完全には止まっていない」とし、大変動は起きていないとの見方
生活への影響
- 内核の回転変化が地球の自転や1日の長さに与える影響は1000分の1秒程度で、人間が感じ取れるものではない
信頼度評価
| 項目 | 内容 | 信頼度 |
|---|---|---|
| 研究自体が実在し2023年に発表された | 事実 | 95% |
| 「回転停止」の観測データ | 事実(ただし解釈に争いあり) | 70% |
| 「逆回転を始めた」という見出し表現 | 不正確・誤解を招く表現の可能性が高い | 20%(=この解釈が正しい確率は低い) |
| 地球規模の危険な異変が起きている | 推測に基づく誇張。専門家は否定的 | 10% |
結論:これは「2026年の新事象」ではなく、2023年の研究が繰り返しリサイクル記事化されたものです。科学的には「内核の相対的な回転速度が変化している(速くなったり遅くなったりしている)」という話であり、「逆回転」という表現は専門家から誤解を招くと批判されています。地球規模の危険な変化ではないというのが大勢の科学者の見解です(トカルチッチ氏、ヴィデール氏など複数の専門家で確認)。

