Episode-000:ナフサは足りている?[ナフサ不足の現状]
2026年5月13日時点では、「完全に枯渇しているわけではないが、かなり厳しい状態」です。
結論から言うと、
- 燃料用石油(ガソリン・軽油など)は国家備蓄が厚い
- しかし石化原料の「ナフサ」は別問題
- 石化メーカーは減産しながら“延命運転”している
という状況です。
特に日本はナフサ輸入の7割超を中東依存しており、ホルムズ海峡情勢の影響を強く受けています。(FNNプライムオンライン)
現在確認できる主な事実:
- 石油化学工業協会によると、2026年3月のエチレン設備稼働率は68.6%
- 1996年以降で最低
- 初めて60%台へ低下
- ナフサ不足を理由に各社が減産
となっています。(OANDA)
エチレンはナフサから作られるため、これは実質的に
「ナフサ不足で石化産業が縮小運転している」
ことを意味します。
影響が出始めている分野としては:
- 包装材
- 印刷インク
- 接着剤
- プラスチック原料
- 医療ディスポ製品
- ポリエチレン・ポリプロピレン系製品
などです。(ジェトロ)
一方で、重要なのは「まだ供給網は維持されている」という点です。
JETRO(日本貿易振興機構)は、
- 在庫活用
- 中東以外からの調達増
- 稼働率を落として操業継続
によって、現時点では“全面停止”は回避していると報告しています。(ジェトロ)
つまり現状は:
| 状態 | 現実 |
|---|---|
| ナフサ完全枯渇 | していない |
| 通常供給 | できていない |
| 減産 | 進行中 |
| 一部製品不足 | 発生開始 |
| 国家危機レベル | まだ未到達 |
| 長期化リスク | 高い |
という段階です。
特に懸念されているのは、
「エチレンプラントは一度止めると再起動に時間がかかる」
点です。(FNNプライムオンライン)
そのため各社は、
赤字でも低稼働を維持して“火を消さない”運転を続けています。
また、現在は
- UAE
- 韓国
- 東南アジア
- 米国
など中東以外からの調達を増やしていますが、輸送距離・価格・船腹不足が課題です。(ジェトロ)
現実的な見通しとしては:
- 短期(数週間)→ 在庫と代替調達で持ちこたえる可能性
- 中期(数か月)→ 包装材・樹脂・化学素材の不足拡大リスク
- 長期(半年超)→ 国内石化縮小が本格化する可能性
があります。
信頼度:87%
理由:
- 石油化学工業協会
- JETRO
- 共同通信系報道
など複数ソースで一致確認できています。
ただし、民間在庫量や企業別調達量は非公開部分が多く、一部は推定を含みます。

