Episode-002:これで他国から石油を輸入しなくてよくなる?[INPEX人工燃料実証成功]
残念ながら、まだそこまでの段階ではありません。
現在の規模の限界 今回確認できたのは「一般家庭1万戸分」のガス消費量に相当する規模です。日本には約5,400万世帯あるので、現状の設備では日本全体の需要のごく一部(0.02%以下)しかカバーできません。
石油の代替にはならない 今回の技術は「合成メタン(都市ガス)」であり、ガソリンや軽油などの石油製品とは別物です。自動車燃料・航空燃料・石油化学製品などには、別の技術開発が必要です。
水素の調達問題 合成メタンを作るには大量の水素が必要ですが、現状その水素自体を海外から輸入したり、化石燃料から作ったりしているケースが多く、完全な国産エネルギーとは言い切れません。
2035年でも「補完」どまり INPEXが目指す2035年時点での商用化後も、役割はあくまでエネルギー調達先の多様化・リスク分散であり、石油輸入をゼロにするものではないとしています。
まとめると、石油輸入からの完全脱却には程遠いですが、「中東依存を少し減らし、エネルギー安全保障を強化する」技術としては非常に意義があります。他の再エネ・水素・アンモニアなど複数の技術と組み合わせて、長期的に輸入依存を下げていく一手という位置づけです。

