Episode-003:洋上風力発電進捗[洋上風力発電進捗]

確認日時:2026年4月22日(水)


🌊 日本の洋上風力発電 最新進捗レポート

信頼度:85%(複数の政府資料・業界団体・報道を確認)


① 政府目標と現状

2020年12月に取りまとめられた「洋上風力産業ビジョン」では、政府目標として2030年までに10GW、2040年までに30〜45GWの洋上風力案件形成が掲げられています。2024年時点では5.1GW分の案件形成が進んでいます。

また、2025年2月に閣議決定された「第7次エネルギー基本計画」および「GX2040ビジョン」において、2050年カーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギーの主力電源化が明記されており、2040年度の電源構成比率は4〜5割程度との見通しが示されています。


② 最大の動向:ラウンド1(第1回公募)からの撤退

【重大な問題】

2025年8月27日、第1ラウンドの3海域(秋田県2海域および千葉県銚子沖)において、事業者が開発中止を決定したことが公表されました。

三菱商事コンソーシアムは、インフレ等の事業環境変化を受け、実行可能な事業計画を立てることが困難との結論に至り、3海域合計の開発中止を決定。これは合計約1.7GWに相当する大型撤退です(出典:資源エネルギー庁資料 2025年9月)。

世界的に洋上風力の事業計画の延期・入札制度の見直しが行われており、米国ではトランプ大統領により洋上風力プロジェクトの新規・更新停止、台湾では厳しいローカルコンテンツ要件による事業者敬遠など、国際的な逆風も背景にあります。


③ 政府の対応と制度見直し

政府は迅速に対応し、9月に秋田・千葉で法定協議会を開催。年内をめどに公募制度の見直しを含む事業環境整備の整理を行い、第1ラウンド3海域の再公募を早期に進める方針を示しました。

政府は洋上風力の大規模入札「ラウンド2・3」の事業について、20年間の固定収入を保証する長期脱炭素電源オークション(LTDA)への参加を認める方針を示しました。世界的なコスト上昇で採算が悪化し撤退が相次ぐ状況を踏まえ、事業遂行を後押しする狙いがあります。


④ 明るいトピック:浮体式洋上風力の国内初商用稼働

2026年1月、長崎県五島市沖で国内初となる浮体式洋上風力発電の商用稼働が開始されました。五島市福江島の沖合約7kmの海域に8基の風車を設置し、総出力16,800kWの電力を五島市内に供給しています。

事業参画者は戸田建設・大阪ガス・関西電力・INPEX・中部電力など(出典:経済産業省資料 2025年7月)。


⑤ 主要案件の進捗一覧(資源エネルギー庁 2025年7月資料より)

区域容量運開予定事業者(主な参画者)
秋田・八峰町・能代市沖37.5万kW2029年6月ERE・イベルドローラ・東北電力
秋田・男鹿市・潟上市・秋田市沖31.5万kW2028年6月JERA・電源開発・伊藤忠・東北電力
新潟・村上市・胎内市沖68.4万kW2029年6月三井物産・RWE

北九州市では洋上風力の部材製造拠点の整備が進んでおり、北九州港は西日本で唯一、組み立てや保守の基地港湾に指定されています。


⑥ 総評・課題

項目状況
2030年目標10GW⚠️ 達成困難(撤退で大幅遅れの懸念)
浮体式商用稼働✅ 2026年1月に国内初達成
制度見直し🔄 進行中(LTDA活用・再公募検討)
コスト上昇問題⚠️ 世界共通の課題。国内でも深刻

出典:

  • 資源エネルギー庁「洋上風力発電について」(2025年7月・9月・12月)
  • 日本風力発電協会(JWPA)声明(2025年11月)
  • 自然エネルギー財団インフォパック第3版(2026年3月)
  • エコニュース(2026年2月)

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