Episode-006:関税の制度管理について[財務省の役割]
関税の制度管理
担当部署
財務省の関税局が制度の企画・立案を担当し、実務は全国の税関が執行します。
関税とは何か
外国から輸入されるモノに課される税金です。主に以下の目的があります。
- 財政収入の確保
- 国内産業の保護(安い外国製品から守る)
- 外交・通商交渉のカード
財務省・関税局の主な仕事
① 関税率の設定・改正 どの品目にどれくらいの税率をかけるかを決めます。品目ごとに細かく設定されており、実行関税率表として公表されています。
② 通商交渉への参加 EPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)の交渉において、関税の引き下げ・撤廃の条件を外務省・経済産業省と協議します。
③ 関税制度の企画立案 原産地規則(どの国の産品かの判定ルール)や関税割当制度などの制度設計を行います。
税関の主な仕事
関税局が「制度設計」をする一方、税関は現場での執行を担います。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 輸出入の通関手続き | 貨物の申告・審査・許可 |
| 関税の徴収 | 実際に税金を集める |
| 密輸の取り締まり | 麻薬・銃器・偽ブランド品などの摘発 |
| 輸出規制の執行 | 軍事転用可能な品目の管理 |
全国に9つの税関(東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・門司・長崎・函館・沖縄)があります。
関税の種類
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 国定関税 | 国内法で定めた基本的な税率 |
| 協定関税 | WTOやEPAで約束した税率(低め) |
| 暫定関税 | 政策的に一時的に設定した税率 |
| 緊急関税 | 輸入急増時に発動する緊急措置 |
実際には最も低い税率が適用されることが多いです。
近年の主なテーマ
TPP・EPAによる関税撤廃 日本はTPP11・日欧EPA・日米貿易協定などにより、多くの品目で関税を段階的に撤廃・削減しています。
農産品の保護 コメ・牛肉・豚肉・乳製品などは国内農業保護の観点から、依然として高い関税が維持されています(コメは実質的に778%)。
安全保障と輸出管理 半導体など軍事転用可能な技術・製品の輸出規制が強化されており、税関がその執行を担っています。
2025年の米国関税問題 トランプ政権による対日関税引き上げへの対応が、財務省・経済産業省・外務省を交えた重要課題となっています。
他に気になる点はありますか?
