Episode-006:国家レベルの試算をさらに具体化するか[国の医療費の内訳と推移]
では、できるだけ国家レベルで具体的な試算モデルに落としてみます。
前提データは 厚生労働省 の「国民医療費」統計と、国際比較として OECD データを参考にした一般的な構造分析に基づきます。
① 現在の医療費構造(約48兆円)
直近ベース:約48兆円
大まかな内訳(丸めた構造モデル)
| 区分 | 金額 | 削減余地 |
|---|---|---|
| ① 生活習慣病関連 | 約12兆円 | 比較的大きい |
| ② がん医療 | 約5兆円 | 限定的 |
| ③ 高齢者慢性疾患 | 約10兆円 | 小さい |
| ④ 整形・筋骨格系 | 約5兆円 | 中程度 |
| ⑤ その他急性疾患 | 約16兆円 | 小さい |
※①は糖尿病・高血圧・脂質異常・心血管系など
② 「全国的な予防成功シナリオ」
仮定:
- 肥満率 30%減
- HbA1c高値群 25%減
- 高血圧治療対象 20%減
- 喫煙率 半減
- 運動習慣者 大幅増
これはかなり成功したケースです。
③ 削減可能額の計算
①生活習慣病 12兆円
20%削減成功 → ▲2.4兆円
④整形・筋骨格(運動改善で軽減)
10%削減 → ▲0.5兆円
がん(肥満・喫煙減で)
5%削減 → ▲0.25兆円
合計削減可能額(理論上)
約3兆円前後
かなり成功しても:
48兆円 → 45兆円規模
つまり
全体の6〜8%程度
④ なぜ10%を超えにくいのか?
理由は3つ。
1. 高齢化要因は消えない
75歳以上医療費は人口構造依存。
2. 医療の高度化
新薬・先端治療は単価が上がる。
3. 延命医療の増加
健康寿命が延びても、最終医療費は大きく減らない。
⑤ 逆に「最大楽観ケース」
極端な成功:
- 生活習慣病30%削減
- 喫煙率ほぼゼロ
- 超加工食品大幅減
この場合でも
4~5兆円削減が理論上の上限
つまり:
医療費が半減することは構造的に不可能
⑥ 国際比較視点
OECD比較では:
- 日本は入院日数が長い
- 高齢者割合が突出
この2点が医療費構造を決めています。
食事改善だけでは構造部分は変わらない。
⑦ 重要なポイント
予防医療の本当の効果は:
- 医療費削減より
- 介護費抑制
- 労働生産性向上
- QOL向上
経済全体への波及効果は
医療費削減額の2~3倍規模になる可能性があります。
結論(国家レベル)
現実的削減幅:
▶ 6~10%(3~5兆円)
それ以上は
人口構造を変えない限り困難。
さらに踏み込みますか?
・医療費+介護費まで含めたマクロ試算
・税率や保険料に与える影響
・「予防国家モデル」を作るとどうなるか
どこまで深掘りますか?
